先週末に行われた「第6回 グアム ココロードレース(2011 Guam Ko'ko' Road Race)」では、大会アドバイザーとして谷口浩美さんが参加されていました。谷口さんは1991年の世界陸上選手権のマラソンで日本人として初めて金メダルを獲得し、また、マラソン日本代表として1992年にはバルセロナ、1996年にはアトランタと2回連続でオリンピックへの出場を果たした、日本を代表する元マラソンランナー。現在はTVの解説や講演会の他、日本全国でランニング指導に携わっています。
そして今回、ココロードレースが行われる直前の10月14日(金)と15日(土)の2日間で合計3回にわたって、谷口さんがランニングの指導を行う「ランニング ワンポイント クリニック」が行われました。

集まったランナーたちに谷口さんがランニングの指導を行いました。
手前の女性は今回のココロードレースの招待選手として
レースに出場した、現役マラソンランナーの町田裕子さん。


私が伺ったのは初回の10月14日(金)。実はこの日は昼ごろに激しい雨が振り、会場となったガバナージョセフフローレスメモリアルパーク(イパオビーチパーク)周辺は水びたしになってしまい、10月14日(金)から16日(日)までの3日間同じ会場で予定されていた「第24回 グアム・ミクロネシア・アイランド・フェア」も、初日の14日(金)の夜の時間帯は中止との速報が流れたばかりでした。
そんなわけで予想より参加者は少ないようでしたが、ローカルのランナーを中心に20人ほど集まっていました。

この「ランニング ワンポイント クリニック」が行われたのは、
ジョセフフローレスメモリアルパーク(イパオビーチパーク)にあるアンビシアターのステージの上。


クリニックのスタートはストレッチから。マラソンは長時間筋肉を使い続ける、過酷なスポーツのひとつです。走る前に筋肉を充分に伸ばして、収縮してしまわないようにすることが大切とのこと。谷口さんが日本語で説明をした後に通訳の方が英語に訳して説明していましたので、ローカルも日本人参加者と同じようにレッスンを受けることができましたよ。

こんな風にペアになって足のストレッチをすると、やりやすいですね。


参加者も同じようにペアになってストレッチ。


足だけでなく上半身の体もストレッチ。
町田裕子選手の体が柔らかいことにビックリ。


そしていよいよ、ランニングのアドバイスです。今回のコースを想定して、登り坂、下り坂、平坦な道、それぞれを走るときのポイントをコースに沿って指導してくれました。ココロードレースのコースはスタート直後から2kmほどの距離まで、登り坂と下り坂の急勾配が続きます。そしてスタート地点とゴール地点は同じ場所なので、ゴール直前にも同じように登りと下りの坂を走らなければいけません。レースの鍵となるこの登りと下りをどう走り抜けるかをアドバイスしてくれていたので、参加ランナーは当日きっと役立てられたことでしょう。

谷口さんは参加者たちの間に入って一人ひとり丁寧にチェックしていましたよ。


ココロードレースのコースは、
スタートとゴール付近の急勾配を除けば
海岸線の比較的平らな道が長く続きます。
そのような平坦な道では、
膝と足首が90度になるように走行するといいそうです。


そして最後は腕の振りについて。フルマラソンランナーはゴールにたどり着くまでの数時間の間、ずっと腕を降り続けなければいけません。そして疲れてくると腕もあまり大きく振れなくなり、その分前にも進まなくなるそうです。つまり、足と同じくらいこの腕振りが重要だそうです。

歩きながら、腕を肩から大きく回して進みます。


疲れてしまっても腕の振りが小さくならないようにするには、
こんな風に足は動かさず、
腕だけを降り続ける練習をするのがおすすめだとのこと。


最後には参加者からの質問にも答え、クリニックは終了。
約30分の短時間でしたが、レースの直前に、しかも実際のコースを想定した実践的かつすぐに役立てられる指導だったので、クリニック終了後参加者の皆さんはとっても満足した表情でした。

笑顔でみんなで記念写真。
このイベントに参加された方は
きっと当日のレースでも大健闘されたことと思います。


グアムでは平日の夕方や休日に、町中をランニングしている人をよく見かけます。日本と同じようにグアムでも、ランニングがとても身近なスポーツになってきています。そんな共通のスポーツを目的に、今回のランニング ワンポイント クリニックやココロードレースを通じて、もっともっとグアムと日本がより深く交流ができていったらいいなと感じます。