6月29日(土)、30日(日)の2日間にわたり、グアム大学のフィールドハウスで「第10回ディニャナ・ミナゴフ チャモロダンス コンペティション&フェスティバル(10th Dinana Minagof Chamorro Dance Competition & Festival)」が開催されました。古代からグアムに伝わる伝統の踊り「チャモロダンス」。外国による統治や、近代化の影響で、チャモロダンスを目にする機会が失われてしまった時期もありましたが、自分たちのルーツである大切な文化を後世まで残していこうと、改めてチャモロダンスの研究が行われ、現在グアムでは数多くのチャモロダンスグループが活動しています。

毎年「ディニャナ・ミナゴフ チャモロダンス コンペティション&フェスティバル」には、様々な地域からダンスグループが参加し「古代」「スパニッシュ」「コンテンポラリー(現代)」の3部門に分かれ、数々の素晴らしい踊りが披露されています。今年も6ダンスグループ、16チームがコンペティションに参加し、6グループがエキシビジョンに登場しました。

古代からグアムに伝わる「チャモロダンス」の文化をベースに
各グループがオリジナリティ溢れるパフォーマンスを披露。
多くの人々が会場に訪れ、大きな盛り上がりをみせた2日間でした。

「コンテンポラリー(現代)」部門で披露されたのは、ベースとなるチャモロダンスを現代風にアレンジした創作ダンス。「スパニッシュ」部門では軽やかなステップとともに、フラメンコを連想させる華やかな衣装も注目を集めていました。「古代」のダンスでは、美しく力強い「チャント(詠唱)」の歌声が静まりかえった会場に響き渡り、観客の皆様はステージに釘付けになっていましたよ。「コンペティション」では、部門ごとにダンス、音楽、衣装、オリジナリティなど、様々な角度から審査が行われます。

軽快な音楽に合わせ、飛んだり跳ねたり
チャモロダンスの要素を随所に取り入れた
創作ダンスを披露する「コンテンポラリー」部門。

こちらは、コンテンポラリー部門で優勝したグループ 「タオタオ・ラグ(TaoTao Lagu)」。
ミリタリーの衣装を着たダンサーがグアム、北マリアナ諸島、アメリカの
旗を掲げ、その前でチャモロダンスを披露します。
現在のグアム、北マリアナ諸島を表現しているようでした。

チャモロダンスは、歌を唄いながらその歌詞を
踊りで表現する「チャンティング(Chanting)」が
特徴のひとつとして挙げられます。
古代部門では、美しい歌声が会場内に響き渡りました。

大人だけではなく、小さな子供たちも参加しています。
一生懸命頑張る姿に、客席から惜しみない拍手が送られました。

コンペティションの各部門の間に行われた「エキシビジョン」も、とても素晴らしいパフォーマンスばかりで圧倒されました。特に「シェラトン・ラグーナ・グアム・リゾート(Sheraton Laguna Guam Resort)」の「ラグーナ・バーベキュー(Laguna BBQ)」に参加している南部出身のダンスグループ「イネットノン・ゲフパゴ(Inetnon Gef Pa'go)」は生命感、躍動感溢れる大迫力のダンスを披露。スペイン統治時代をモチーフに、現代とグアムの歴史をベースに構成されたストーリーや、オリジナリティ溢れる演出も素晴らしく、抜群の見応えでした。

力強く、野性味溢れる古代チャモロのダンスでは
男性による語りが会場内に響き渡ります。

男女がペアになり、華やかな衣装で踊る「スパニッシュ」。
男女の恋愛模様が見える内容でした。

スペイン統治時代にグアムに持ち込まれた
「バレンバトゥーザン」という楽器も登場。
ひとつのショーの中にグアムの歴史や
文化が凝縮されており、見応え十分です。

こちらでは、戦争の悲劇を影絵で表現していました。
アイデアと想像力に満ち溢れたショーばかりでした。

2010年以降、日本からもチャモロダンサーが訪れ、ステージを盛り上げています。

今年、ステージにあがったのは「グマ・イ タオタオ キナフル アッダオ ナ タオ(Guma I Taotao Kinahulo' Atdao na Tano)」というグループで、皆さん日本でチャモロダンスを踊るダンサーです。グループを率いる「野平麻美」さんは、数年前からグアムでチャモロダンスを学び、日本のスクールでもチャモロダンスを教えており、現在チャモロダンスインストラクターを意味する「ファファナグエ(Fafa'na'gue)」階級の取得を目指しています。年に数回グアムを訪れ、このイベントを主催する「パ・ア・タオタオタノ(Pa'a Taotao Tano')」のグループでレッスンを重ねています。

スパニッシュのダンスでは
フラメンコダンスを思わせる華やかなスカートをなびかせながら踊ります。

古代の踊りでは、ヤシの葉のスカートに着替え
チャンティングで踊りを披露します。
小学生の男の子も2名参加し
とても可愛い姿を見ることができましたよ。

日本人による素晴らしいパフォーマンスに
会場はスタンディングオベーションで応えてくれました!

数千年に及ぶ古代チャモロの暮らし。そして約500年前に始まり、約70年ほど前まで続いた外国による統治。様々な歴史の波の中で、自分たちの文化を守り抜くことが困難な時代もあったことでしょう。アメリカの準州として独立し、再び自分たちの固有の文化に目を向けた時、それがいかに素晴らしいものであったかを再認識したチャモロの人たち。そして、多くの調査、研究の結果、このようなイベントを開催するまでになりました。今回、ステージでは小さな子供たちの姿も多く見ることができました。彼らが大きくなった時、今よりもさらに多くのダンサーが登場し、さらに大きな拍手に包まれていることでしょう。その姿を見ることができるのを、心より楽しみにしています。(撮影:山岸幸矢)