1月22日(日)、チャモロビレッジ横にある「グアムフィッシャーマンズ・コープ(GUAM FISHERMEN'S CO-OP)」において、4回目となる「チャモロ・ルナ・カレンダー・フェスティバル(Chamorro Lunar Calendar Festival)」が開催されました。「ルナ(Lunar)」とは「月の」という意味です。このフェスティバルは、毎年1月に開催されています。ポスターには、幻想的な美しい月を背景にして、チャモロ文化を紹介するイラストが描かれていました。


このイベントでは、イベント名からもわかるように、チャモロ暦のカレンダーが無料配布されます。月や星、太陽などの動きを読みながら生活していた古代チャモロの人々。配布されるカレンダーは、チャモロ独自の暦で作られたカレンダーなので、私たちが使っている太陽暦のカレンダーとは内容がまったく異なっています。
例えば、1年が13カ月あったり、日付は1日、2日などの数字で表わされるのではなく、月の満ち欠けの言葉で表現されたりしています。さらには、首都ハガニアの日の出や日の入の時刻、潮の満干潮についても書かれています。


チャモロカレンダーは、このようなデザインになっています。
古代チャモロ人たちは、これらの内容をすべて頭の中に入れたうえで、
漁に出るなどの暮らしをしていたのでしょう。


通常のカレンダーなら「1月」「2月」と書かれるところに、
「Tumaiguini」(トゥマイグニ)「Maimo」(マイモ)などのチャモロ語でチャモロ歴が書かれています。
また、「1日」「2日」にあたるのは、
「Sinahi」(シナヒ)「Sinahen Hacha」(シナヘン・ハツァ)などの月の満ち欠けの言い方でしょうか。
その下には、日の出や日の入の時刻、潮の満干潮についても書かれています。
太陽暦の日付も併記されているので、私たちでも理解できるようになっています。


そして、グアムで暮らす私たちにとってはうれしいこんな情報も載っています。


そのシーズンの「旬の魚」情報です。
太陽暦で6月19日~7月18日にあたる「Mananaf」(マナナフ)という時期には、
スキップジャック(鰹)、イエローフィンツナ(キハダマグロ)、
マーリン(クロカジキ)などが旬だそうです。


カレンダーに描かれた絵は、「ムーンライト・トーク(Moonlight Talk)」をテーマに行われた絵画コンテストの優秀作品です。グアムの子供たちが、自分たちの祖先が自然の動きからどのように影響を受けて生きてきたのかを考えながら、それぞれ想像力を膨らませて描いたものです。


幼稚園の子どもが描いたイラスト。
古代帆船プロアに乗って、グアムの豊かな海で
フィッシングをしている様子が描かれています。


手前の岸には、古代チャモロ人の暮らしぶりが描かれており、
対岸では、私たち現代人がその様子を見ているという構成になっています。
こちらは小学3~5年生の部門での優秀作品です。


チャモロの文化を紹介するイベントはいろいろありますが、こんな珍しいカレンダーが配布されるのはこのイベントだけではないでしょうか。ローカルの人にはとても興味深い内容で、ここでしか手に入らないお役立ちの情報が満載のカレンダーといえるでしょう。


その他、このイベントではチャモロの音楽、アート、フードなどのブースが出店をして、展示や販売をしながら、訪れた人々に紹介していました。採れたばかりの新鮮なローカル野菜やフルーツ、チャモロの伝統的なアクセサリーや漁具、チャモロの伝説などを描いた絵画、チャモロの食卓に並ぶ家庭料理の実演販売、ステージでの演奏など、実に多彩な内容でした。


アガニア湾をバックに様々なブースが軒を連ねました。
こちらは新鮮な野菜やフルーツのブースです。


チャモロアクセサリーのお店もたくさんありましたよ。


漁をするためのスピア(槍)やタラザ(網)、
ココナツの葉で編まれたバスケットなどの展示もありました。


こちらはチャモロクッキングの準備中。
古代チャモロの調理方法を用いて、魚をバナナの葉で包んで焼いたり、
タロイモやバナナを蒸し焼きにしていたようです。


隣のチャモロビレッジでは、先週のWEEKLY GUAMで紹介したようにフィエスタが開催されました。チャモロダンスショーが行われたり、チャモロ料理が用意されたりして、訪れたツーリストやローカルの人々が楽しんでいました。


フィエスタツアーに参加した人たちだけでなく、
チャモロビレッジを訪れたツーリストも一緒に
ダンスやチャモロ料理のランチを楽しみました。


今年のフェスティバルは終了しましたが、来年の年初にグアムを訪れるご予定がある方には、是非ともこちらのチャモロ・ルナ・カレンダー・フェスティバルに足を運んでいただきたいと思います。チャモロの珍しいカレンダーは、グアムのお土産としてもきっと喜ばれますよ。