ウィスコンシン州選出のアメリカ合衆国上院議員であったゲイロード・ネルソン氏(Gaylord A.Nelson)の呼びかけで始まった環境問題についての討論集会。これがきっかけとなり、その後、4月22日を「アースデー(Earth Day)」と定め、持続可能な社会を目指して、全世界で様々なイベントが開催されるようになりました。
グアムでも、海水の汚染や動植物の絶滅の危機、ゴミ問題など、私たちを取り巻く環境が少しずつ変化していることに関心が払われるようになってきています。4月21日と22日の両日は、多くの団体やNPOがビーチクリーンナップ、ハイクツアー、集会、ローカルフードを料理し振る舞うイベントなどを開催しました。イベント目白押しの週末でしたが、環境教育コミティー主催の「ザ・ネイチャー・エキスポ(The Nature EXPO)」とザ・ナショナル・パーク・サービス主催の「ムービー・イン・ザ・パーク(Movie In The Park)」に出かけてきましたので、リポートいたします。


グアム島内の学校ではゴミを空き缶やペットボトルに分類しています。
空き缶は業者に買い取ってもらい、学校活動の一部に充てられています。


ザ・ネイチャー・エキスポの会場となったのは
ハガニア地区にある「スキナー広場(Skinner Plaza)」。
多くのブースが並び、リサイクルについて学ぶコーナーやゲーム、
青少年の健全な育成を支援するグアムベースの組織「サンクチュアリー(Sanctuary)」のブース、
ゴミの分別方法やリサイクルの知恵を紹介するブース、
フードやドリンクのブースもありました。


ゲームといっても電気仕掛けのものは何もありません。
こちらのゲームは、開いた板の穴から人が顔を出して、
子供たちは水に含ませたスポンジをその顔めがけて投げるものでした。


マグネットを使って魚をつり上げる遊びです。
上手に釣れたらプレゼントがもらえます。
手作りのゲームに子供たちは夢中です。


ハンマーで思いきり台を叩くと、
その強さによって槌がレールにそって跳ね上がります。
一番上まで届くと鐘が鳴ります。


10mほどのロッククライミングの体験コーナー。
青空の下、ティーンエイジャーが素早く登っていきます。


ステージでは終日、ライブミュージックとDJのトークが続きます。
こちらの写真は飛び入りでアメリカ国歌を歌ってくれた男の子です。


青少年を支援するグアムベースの組織サンクチュアリー主催の
ガイド付きハガニアヒストリカルツアーも開催されていました。
希望者はスクールバスに乗って約30分、
ハガニア地区の歴史旧跡、見所を車窓から見学しました。


スクールバスが発車してすぐに見えるのが聖母マリア大聖堂。
1669年にサン・ビトレス神父によって、
グアムで初めて建てられたカトリック教会です。
現在の建物は、1958年に完成したものであるとガイドさんが解説していました。


ハガニアの市街地と湾を一望できるアプガン砦は、
1800年頃、チャモロ族の大反乱に対するスペイン軍の拠点跡となりました。


約30分のバスツアーを終えて、再びスキナープラザへ。
公園内ではもちろんゴミの分別が徹底されていました。
一人一人の行動がグアムの自然を守り、美しい島の風景を作り続けるんですね。
皆さんもグアム滞在中は、是非とも節度とマナーを守って行動してくださいね。


乾季も終わりにさしかかってきたグアムですが、日々、晴天が続いています。アースデーの週末もすばらしい青空が広がっていました。そして、夕方になると涼しくなるのも乾季の特徴。南国の太陽が西の空に傾きはじめた6:15PM頃、楽しみにしていた野外映画鑑賞のために、アサンビーチメモリアルパークに出かけました。小さな子供連れの家族やカップルが椅子や敷物持参で集まり始めています。


思い思いにくつろいで映画が始まるサンセットを待ちます。


今夜上映されるのは「There Once Was an Island」という映画です。地球温暖化の影響を受けて土地が浸食されている島があることを、皆さんも耳にされたことがあるのではないでしょうか?この映画の舞台は南太平洋の島、パプアニューギニアの孤島。年々海水の水位が上昇しており、満潮になると集落が頻繁に海水に覆われる事態になっています。島の内陸部のタロイモ畑でさえ、海水の被害が拡大しています。そんな時に大波が島を襲い、住民達が家を半壊する恐怖を味わったことをきっかけに、本島(パプアニューギニア)に移住するかどうかの議論が始まります。
自らのアイデンティティや文化を持つ島民に突きつけられた現実を伝えるドキュメンタリーです。


「There Once Was am Island」は、
上演機会の少ない貴重な映画です。
地球温暖化の深刻さをあらためて知らされました。


島の長老の記憶に残る美しい砂浜はすでになくなり、
雨期になると集落まで海水が押し寄せる事態が頻繁に起こります。


電力もなく、昔ながらの自給自足の生活を続けている島民にとって、
食糧の不足や家屋倒壊の被害は深刻です。
子供達へ受け継ぐ島の将来を考え苦悩する長老達の姿が印象的でした。


大波の度に浸水や倒壊を繰り返す家屋。
本島のパプアニューギニアへの移住を決意する人も増えており、
ご家族が引き離されることもあるようです。


豊かさを求める私たちの暮らしが、地球環境を破壊し、環境のバランスを崩してきたという点は否めないかもしれません。私たち一人一人が身近なところから生活を見直し、できるところから一つずつ実行することが、最も身近で大切なことなのではないかと思いました。
アースデーに限らず、グアムでは頻繁にグアム政府環境保護局が主催する自然をテーマにしたイベントが開催されます。そのほとんどが参加費無料です。
こちらのホームページでは、英語ですがイベントカレンダーも掲載されています。グアム旅行の際にはぜひ確認して、参加してみてくださいね。


グアム政府環境保護局のホームページ(英語)はこちらから。
http://epa.guam.gov/