グアム島西海岸の絶景を展望できるスポットとして、ツーリストからも人気を集めている「ラッテ オブ フリーダム(Latte of Freedom)」。グアム島内の観光に組み込まれているツアーもあり、レンタカーでドライブがてらに訪れるツーリストが多く、美しい景観を背に記念撮影をされている方も多くいらっしゃいます。絶景の素晴らしさはもちろんですが、グアムの歴史や文化に触れるという意味でも、とってもオススメなスポットです。

今回は、こちらの名物でもある巨大展望塔が完成するまでの歴史や、ユニークな形が印象的な「ラッテストーン(Latte Stone)」をはじめとする「チャモロ文化」についてご紹介いたします。

ラッテストーンの形をモチーフに建設された
ラッテ オブ フリーダムという名の展望塔。
展望塔へと繋がる橋からは絶景を堪能することができ
撮影ポイントとしても人気を集めています。

ラッテ オブ フリーダムが完成したのは2010年。アメリカの東の玄関口であるニューヨークに「自由の女神」が建つように、アメリカの西の玄関口であるグアムにも、何かシンボルになるものを建てたい...という思いから、プロジェクトがスタートしました。プロジェクトが考案されたのは、なんと37年前の1976年。ちょうどアメリカ独立宣言から200周年を迎えた年でした。グアムはアメリカ準州として、また古代から続くチャモロの島「グアム」としての、200周年記念事業が検討された結果、このプロジェクトが開始されたのです。

展望塔の中では、このプロジェクトの経緯や
プロジェクトに関わった人たちを紹介しています。

地上約15mの高さから北西にカメラを向けると「恋人岬」や
さらに北側に位置する「ウルナオ岬」まで広大に見渡すことができます。

南東側は、このように緑豊かなジャングルと
青く透き通った海の景観を楽しむことができます。

ラッテ オブ フリーダムが建つのはハガニア村の南に位置する「アデラップ岬」。「リカルド・J・ボダリオ・ガバナーズ・コンプレックス(Ricardo J. Bordallo Governor's Complex)」と呼ばれる、グアム準州知事の執務室がある「グアム政府オフィス」の敷地内にあります。

こちらがグアム政府オフィスの正面入口に建つ
リカルド J. ボダリオ氏の像。
1975年から1978年と、1983年から1986年の
計6年間を知事として務めました。
そして、今回ご紹介している
ラッテ オブ フリーダムの発案者でもあります。

リカルド・J・ボダリオ・ガバナーズ・コンプレックスは、左周りの一方通行となっており、正面の芝生広場を回り、建物の向こう側に行くと、目の前に美しい海が見えます。そのほとりには、グアムを代表する遺跡「ラッテストーン」があります。

ラッテストーンの写真を撮るには最適のポイント。
サンセットをバックに撮影すれば、きっと素敵な1枚が撮れますよ!

ラッテストーンは「ハリギ(Haligi)」と呼ばれる地面から垂直に立つ支柱と
その上に乗る「タサ(Tasa)」と呼ばれるお椀型の石の2つから構成されています。
中には、タサが落ちてしまっているものも多いですが
ラッテストーンは6~12基のセットで発見されることが多いことから
住居の土台であったのでは、という説が有力となっています。
こちらには、6基のラッテストーンがあります。

グアム各地で発見されているラッテストーン。いまだにその明確な用途は不明ですが、大きな岩を切り出し作られたラッテストーンは、古代チャモロ人の豊かな「発想力」と「想像力」そして「強さ」を象徴しています。ラッテストーンをモチーフに作られた展望塔には、古代チャモロ人への敬意が示されています。

ラッテ オブ フリーダムに隣接する「ガバナーズホール(Governors Hall)」には、歴代のグアム知事の写真や、グアム各地で発見された古代道具などが展示されています。500年以上前のグアムの人々が使っていた生活道具などを見ることができますよ。

少数となりますが、グアムの古代道具などが展示されているガバナーズホール。
こちらにも是非お立ち寄りくださいね。

ガバナーズホールには、このような古代道具の展示が行われています。
写真左は「マリアナズ・レッドウェア(Marianas Red Ware)」と呼ばれる土器。
グアム各地で破片が発見されており、こちらを使用し古代から
稲作が行われていたことが分かっています。
写真真中は「アズ(Adze)」と呼ばれる斧。歯部分には石や貝などが使用されています。
写真右は「アチョ・アトゥパット(Acho' atupat)」と呼ばれる「石礫(せきれき)。」
グアムでは「スリング・ストーン(Sling Stone)」とも呼ばれており
狩猟のための道具として使用されていました。

アクティビティやショッピングが旅のメインとなることが多いグアムですが、是非こういったスポットでグアムの歴史や文化にも存分に触れてみてくださいね。

今回ご紹介したガバナーズホールでは、6月24日(火)から7月10日(水)まで「特別展」が開催されています。6月はフィリピンの独立記念日があり、人口の約3分の1をフィリピン人が占めるグアムでは、フィリピン独立記念イベントを開催するレストランなども多数あります。この特別展でも、グアムにおけるアメリカとフィリピンの歴史写真の展示や、戦後アメリカ軍基地建設のためフィリピンから移住してきた労働者のためのキャンプ「キャンプ・ロハス(Camp Lohas)」のドキュメンタリービデオの放映などが行われます。近日グアムにお越しになられる方は、是非こちらもお見逃しのないようチェックしてみてくださいね。

<インフォメーション>

店名:ラッテ オブ フリーダム(Latte of Freedom)
営業時間:月曜日~金曜日 9:00AM~4:00PM / 土曜日~日曜日 9:00AM~12:00PM
定休日:なし
入場料:$3
住所:126 Ricardo J. Bordallo Governor's Complex, Adelup. Hagatna, Guam
ロケーション:ハガニア地区 アデラップ岬 ガバナーズコンプレックス内
電話番号:671-475-4634