今年で27回目を迎える「グアム・ミクロネシア・アイランド・フェア(Guam Micronesia Island Fair)」。グアム、ロタ、パラオ、ポンペイ、チューク、コスラエ、マーシャル諸島などの太平洋に浮かぶ島々の文化が一堂に集う、年に一度のイベントです。今年も4月25日(金)から27日(日)の3日間にわたり盛大に開催され、各島の文化をたっぷり体験することができました。

今年は佐賀県唐津市の使節団が特別参加!実はグアムの道路や滑走路には、唐津市から輸出した石材が使われているのをご存知ですか?そんな経済交流を背景に、唐津市とグアムは2013年7月24日に、『友好交流意向書』に調印しました。今回は、グアムの人々に唐津市の魅力を伝えるために、フェア期間中プロモーションを実施しました。

唐津市の魅力をローカルに伝える唐津ブース

ステージ上で、唐津の魅力を英語で伝える唐津市観光課の塚本さんと松永さん

唐津市ブースの、イカシュウマイの試食コーナー
ローカルのみなさんに大人気でしたよ

こちらは唐津市の美味し〜いイカを使ったイカ焼きの試食コーナーです

日本の文化を伝える、お茶体験コーナーも好評でした。

次に、他のミクロネシアの島々についてもご紹介です。「ミクロネシア連邦(Federated States of Micronesia / 略称 FSM)」とは太平洋上のミクロネシア地域に位置し、607の島々と環礁から成り、東はパラオ、西はキリバスまでという広範囲にわたり、インド洋、フィリピン海、太平洋の海流が集結する壮大な珊瑚礁と漁場が残るエリアです。ヤップ、チューク、ポンペイ、コスラエの4つの州に分けられ、それぞれが独自の文化や言語を持ち、FSMでは17の言語が使用されていると言われています。地形や生態環境も異なるため、固有の文化が発達してきたのです。
グアム・ミクロネシア・アイランド・フェアでは、これらの島々から島民がやってきて、自分たちの文化を披露するのです。毎年多くの方が足を運ぶステージでは島の伝統の踊りが紹介され、各島のブースには通常グアムでは買うことのできないクラフト作品や島の名産品が並びます。

メインステージでダンスを披露するこちらのグループは
チュークからやってきました。

FSMの4つの州のひとつ、チューク。約300もの小島から成り、州都チュークは世界最大級の環礁の島にあります。ダンサーたちはオイルとターメリックでメイクアップし、チャモロダンスでは見ることのないカラフルなビーズで作られたアクセサリーを身につけ、男女に分かれて掛け合うように歌を歌いながら踊ります。

パフォーマンス前、ちょうどメイクアップしているところです。
グアムで女性のブラはココナツですが
彼女たちはヤシの葉を編んだものを身につけています。

チュークとヤップ合同のブースで
色鮮やかなビーズのバッグを見つけました。
ひとつひとつ丁寧に作られた、ハンドメイドの作品です。

こちらの逞しい男性たちは、ポンペイからやってきました。

ミクロネシア連邦の首都バリキールがあるポンペイ。ポンペイ島はミクロネシア連邦の中で最も面積が大きく、降水量も多い島です。沢山の雨は豊かな熱帯雨林を育み、それは広大なラグーン(礁湖)に栄養を運び、ポンペイの海洋環境はミクロネシア有数のものとなっています。

ステージでは美しい花冠をかぶった女性たちが歌っています。
鳥の羽根を装飾に使った特徴的な帽子をかぶった男性ダンサーたちが
力強い動きと雄叫びで観客を湧かせます。

ポンペイのブースには様々な特産品が並んでいました。
「ポンペイ・ペッパー」と呼ばれるポンペイの胡椒は
特に有名で、辛いだけでなく香りと風味がとても豊かです。
これはポンペイの湿度が非常に高いため、
香りを含む揮発成分が粒の中に閉じ込められるからだと言われています。

何かと思って見ていると「マドウ」という植物の茶葉だと教えてくれました
熱いお湯にいれてしばらく置いてから飲むそうです。

チャモロダンサーと似たような衣装で踊るこちらは
パラオのグループです。

200ほどの小さな島で構成され、ダイビングスポットとして既に多くの日本人に知られているパラオ。ブースにはパラオを代表する工芸品のひとつ「ストーリーボード(Storyboard)」をはじめ、様々なアイテムが並べられていました。

こちらがストーリーボード。

文字を持たなかった古代パラオの人々は、「アバイ」と呼ばれる男性の集会所の梁などに歴史や伝説を絵文字として残していました。それを木版に複写したのが、ストーリーボードです。パラオの絵文字文化の消滅を危惧した日本人彫刻家の土方久功氏の提案により板彫りの手法が考案され、今日に受け継がれています。

ガラスと粘土で作られたカラフルなアクセサリー。
素朴で温かみのあるアイテムは全て手作りです。

こちらはパラオブースで販売にあたっていた女性。
もちろんパラオの方です。
やはりチャモロ人とは少し違った顔立ちですね。

では、最後にグアムのご紹介です。

「チャント」と呼ばれる歌声に合わせ
ダンサーがチャモロダンスを踊ります。

美しい海に囲まれ、今なお手つかずの自然が残るミクロネシア。チャモロダンスでは神への敬意、新しい生命の誕生や実りへの感謝が表現されています。

若い戦士たちの踊りは迫力があり
チャモロダンスの中でも必見のパフォーマンスです。

会場を歩いていると
こんな古代チャモロの格好をした人にも出会えます。

近々販売開始予定の新しいグアム土産「3Dパズル」。

こちらはローカルアーティスト、ロン・カストロ氏によるもので、チャモロ文化を代表する遺跡「ラッテストーン(Latte Stone)」、グアムにしかいない絶滅種の島の鳥「ココバード(Ko'ko' Bird)」などを自分で立体的に組み立てるようになっています。子供へのお土産にぴったりです。

他にも沢山のミクロネシアの魅力にあふれた3日間でした。どの島の方も陽気で明るく、大自然に負けない逞しさを感じさせてくれた、年に一度のこのイベント。ツーリストの方にとってはこの場所でしか体験できないこと、買うことができないものが沢山ありますので、是非来年のグアム旅行計画に「グアム・ミクロネシア・アイランド・フェア」を入れてみてくださいね。