日本、台湾、ロシア、香港、韓国、そして中国などから多くの観光客を迎えるグアムでは、年間を通して様々なNPOや政府機関が主催した、ビーチなどの"クリーンアップ活動"が行われています。9月20日(土)には、今年で20回目を迎えた「Guam's International Coastal Cleanup(グアムズ・インターナショナル・コースタル・クリーンアップ)」がグアム全島の18カ所の海岸で行われました。私が訪れたタムニング地区の「パセオ公園(Paseo de Susana Park)」だけでも数百人の参加者があり、全島での参加者総数は数千人を超えていたことでしょう。パセオ公園の場合は砂浜から岩場、歩道など公園内を隅々まで、多くの人がゴミ集めに奮闘していました。クリーンアップ活動には特に中学生や高校生など学生が沢山参加しており、グアムの若者たちのゴミに関する問題意識の高さが伺えます。皆様が来島した際に目にする風光明媚なコーストラインの風景は、このようなローカルの人々の陰の努力で保たれているのです。この常夏の楽園が未来へも美しさを引き継げるよう、グアムを訪れる皆様もビーチで出たゴミは必ずゴミ箱に入れるなどのグアムの美化運動に是非ご協力ください。

グアム島北部のジーゴ村にある サイモンサンチェス高校の仲良しグループ。

集めたゴミの中には、折りたたみ椅子までありました!なんと、海岸の岩場に放置されていたようです。多分釣り客が残していったものなのでしょうね。

こちらは、シェラトン・ラグーナ・グアム・リゾートの スタッフの皆さん。

シェラトン・ラグーナ・グアム・リゾートでは 清掃イベントがあると社内でその旨案内があり、 毎回多くのスタッフがボランティアとして参加してくれるそうです。

「シェラトン・ラグーナ・グアム・リゾート(Sheraton Laguna Guam Resort)」からは、今回51名のスタッフの皆さんが参加していました。ホームセンター「ホームデポ(HOME DEPOT)」で手に入れたという取っ手の長い遠隔はさみで器用にゴミを掴み、ゴミを拾う段階でアルミやガラス、段ボールなどを分別回収。もうこれは、プロの域に達していると思われるような手際の良さです!

ご家族や友人たちで参加している方々も沢山いました。

ファミリーや友人を誘って参加している方々などは、おしゃべりをしながら、時には写真を撮りながら、思い思いのスタイルでボランティア活動を楽しんでいるようでした。

赤いTシャツの若者たちは、セントジョーンズスクールの生徒さん。 先生がコーディネートして 様々なボランティア活動に参加しているそうです。

グループごとに収集したゴミの数を 種類ごとに記入していきます。

三方を海に囲まれたパセオ公園は、ローカルたちの憩いの場所。 週末にはバーベキューする人、朝晩にはジョギングする人などが訪れますが、 残念ながら海岸線の岩場には大量のゴミがありました。

こちらは、セントアンソニースクールの生徒さんたち。 賑やかな笑い声やおしゃべりが途切れる事はありませんでした。

アカデミーオブアワーレディという、グアムで唯一の女子高校の生徒さんたちは 今回総勢60名で参加していました。

大きな岩の下には大量のゴミが隠れていました。

皆さんが収集してきたゴミを分別する一番ハードな仕事を買って出たのは セントジョンズスクールの先生と生徒さん。

集めたゴミは、アルミ、金属、ガラス、プラスティック、紙、その他にキチンと分別されていました。活動終了後にはそれぞれの業者さんが引き取り、処理されるそうです。

グアムも他の地域と同様に、地球規模の環境問題を抱えています。温暖化による海水面の上昇、開発による赤土の海への流出がもたらす海洋環境破壊、ジャングルへの大型ゴミの不法投棄、ゴミ処理場の確保、再処理サイクルの推進など、課題は山積みです。日本に比べるとゴミの分別や環境問題について出遅れている感があったグアムですが、ここ数年で急速な意識の高まりを感じます。学校では環境に関するレクチャーなどが催されていますし、企業ではスタッフに意識向上を促す動きが加速しています。環境破壊につながる問題が少しでも解消し、ゴミ処理システムが形成され、最終的にゴミを極力減らす体制が整えられることを願うばかりです。

2011年のグアムズ・インターナショナル・コースタル・クリーンアップに関する記事はこちら。 http://weekly.visitguam.jp/2011/10/post-228.html

WEEKLY GUAMでグアムの環境について取り上げた際の記事はこちら。 http://weekly.visitguam.jp/2010/06/1.html