日系移民と聞くとブラジル、ペルーを思い浮かべる方が多いと思います。その歴史は約100年、実はグアムへの日本人の移民はブラジルなどよりさらに50年ほど遡る明治維新とともに始まりました。二度の世界大戦を経て、移民の歴史は現在まで続いています。第二次世界大戦後の移民は戦後日本の発展にともなう海外戦略を担うビジネスマンとしての移住がほとんどですが、明治元年(1868年)から第二次世界大戦勃発までの移民は貧しい日本からの出稼ぎ労働者でした。その時代の移民一世として現在把握できているのは53名、大志を抱いて海を渡った彼らの名前を記した記念碑が完成しました。
日本人の海外への移民の歴史は16世紀にさかのぼります。幕府の使節団に始まり、のちに海外との貿易拠点に日本人村が形成されたようです。しかし江戸幕府の鎖国政策により往来が途絶え、明治になり移民が再開されたものの、その大半は出稼ぎ目的の移住でした。明治元年(1868年)にグアムに渡った「元年者」と呼ばれる約40人は、近代日本最初の移民としてグアムの土を踏んだのです。