10月1日 土曜日・2日 日曜日の2日間にわたって開催された『 第1回カヌーフェスティバル(The Festival of the Canoes / チャモロ名  I FIESTAN SAHYAN TASI)』に行ってきました。
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タロフォフォ湾に準備されたプロア。
島の南東部、タロフォフォ川の河口一帯に昨年オープンしたバレーオブザラッテ アドベンチャーパーク(Valley of the Latte Adventure park)を舞台に、チャモロ文化の伝統的なカヌー作りや航海術を守ろうというグループ、ウリタオ(Ulitao)が中心となり開催されたこのフェスティバル。オープニングでは、タロフォフォ湾にプロア(PROA)と呼ばれるカヌーが浮かべられ、海からやってきたチャモロ人の船乗り達を陸に暮らす人々が迎え入れるというセレモニーからスタートしました。
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風を受けて湾内を行ったり来たり。
エンジンの音はもちろん出さないプロアがタロフォフォ湾を右に左に静かに動き回る光景には、自然のままの湾の眺めのせいか、まるで古代にタイムスリップしたかのような不思議な感覚を覚えました。
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ホラ貝を吹いて船と交信。
船は徐々に陸に近づきながら、船乗りの1人がホラ貝を吹き鳴らすと、それに応えるように陸にいる人もホラ貝を吹き返すというやり取りが交わされました。
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船から降り陸の人々に挨拶をして敬意を表します。
やがて船乗りの代表が砂浜に降り立ち、大きく手を振りながら陸のチャモロの人々に敬意を表した挨拶をすると、今度は陸の代表者が船乗り達の上陸を歓迎する挨拶を送りました。
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帆を畳んだプロア
船乗り達は帆をたたみ、オールで船を漕ぎ進めながらタロフォフォ川を上りはじめました。一連のやりとりは厳かな雰囲気の中、全てチャモロ語で行われ、観客達の間にはなにか神聖で感動的な空気が広がりました。
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バレーオブザラッテ アドベンチャーパークでは、
アドベンチャーリバークルーズやカヤック、
サーフィン、パドルボードなどのツアーも楽しめます。
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ボートで川を上ると、着いた先はチャモロ族の村。
プロアを追って私たちもボートで川を上り、着いた先はチャモロ族の村。村の酋長が迎えてくれます。ここでは古代の家屋やラッテストーン、古代チャモロ人の生活に欠かすことのできない草木などを見学できます。
この日の主役ウリタオは、カヌー作りの技術や自然を利用した航海術を守るために活動しているチャモロ人の船乗り集団。今年から、このバレーオブザラッテ アドベンチャーパークを本拠地として新たな活動を開始しました。今回のフェスティバルに合わせウリタオ・カヌースクールを発足させ、カヌーにまつわる伝統を教え伝えるとともに、ツーリストにも楽しんでもらうためにココナツオイル作りなども行なっていくそうです。
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プロアとトニー・マグアドグ氏(Mr. Tony Maguadog)
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様々な道具を使って削り出されるプロア。
会場にはもう一つ、サンディエゴを拠点として活動するグループ チェルー(Che'lu)が用意したフライングプロアの模型が飾られ、その構造や航海術などを詳しく聞くことができました。フライングプロアとは、飛ぶような速さで海上を疾走する様子から名付けられたチャモロ人のカヌーの名称です。このチェルーは、サンディエゴで47フィート(約14メートル)の本物のカヌーを建造し、今年開催された『フェスティバル オブ パシフィックアーツ(12th Festival of Pacific Arts)』のためにグアムに運び込んだグループです。
<フェスティバル オブ パシフィックアーツの記事はこちら>
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狩猟のために使われた投石のデモンストレーションも見ることができました。
この日は会場内にブースが立ち並び、様々なアート作品の展示やグアムメイドの商品、ローカルフードの販売も行われました。チャモロカルチャーにどっぷりと浸かった2日間でしたが、イベントがなくてもバレーオブザラッテ アドベンチャーパークに行けばチャモロ文化の一端を垣間見ることができます。グアム旅行中に是非体験してみてください!