昨年11月にソフトオープンしたグアムミュージアム(Guam Museum)。グアムの長い歴史や受け継がれてきたチャモロ文化を貴重な資料や遺物と共に一度に鑑賞することができるスポットとして、すでに多くの人々が足を運んでいます。
そして3月、チャモロ月間に合わせ、先週グランドオープンを迎えました。企画展の内容が一新し、チャモロ月間にふさわしく「CHAMORU YU -Perspectives on CHamoru Identity-(チャモロアイデンティティーの展望)」というタイトルで再スタートを切ったグアムミュージアム。新しくオープンしているギフトショップと共にご案内します。



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3月3日(金)にグランドオープンを迎えたグアムミュージアム。



先週のウィークリーグアムでご紹介したように、3月のグアムはチャモロ月間。数千年にわたり受け継がれてきた文化を守り伝える活動が盛んになる1か月です。

グアムミュージアムで3月3日(金)から始まった企画展「CHAMORU YU -Perspectives on CHamoru Identity-(チャモロアイデンティティーの展望)」では、人々の暮らし、古代のチャモロ文化だけでなくスペイン統治時代の新しいカルチャーや習慣、近代の政治、経済など、古代から現代までのグアムをさまざまな角度で捉え、見つめなおしています。そして、チャモロとは何か、チャモロのアイデンティティーとは何かを改めて問いかける内容となっています。



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企画展「CHAMORU YU -Perspectives on CHamoru Identity-」は
3月から5月まで開催しています。



展示物の説明はすべて英語ですが、グアムを訪れる方々もぜひ写真や資料を通して、グアムに生きる人々の魂を感じていただければと思います。



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企画展では古代チャモロ時代(紀元前2000年~1668年)、
スペイン統治時代(1668年~1898年)、
アメリカ海軍統治時代(1898年~1941年)、旧日本軍統治時代(1941年~1944年)、
戦後(1944年~1950年)、グアメニアン時代(1950年~1970年)、
現代(1970年以降)の7つの時代について紹介されています。



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古代ではグアム各地で発掘された生活道具の遺物の展示をメインに紹介。
こちらは航海術に長けていたと言われるチャモロの帆船、プロア船の復元です。



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ポルトガルの探検家フェルディナンド・マゼランがグアムを発見したことにより
グアムの歴史は大きく動き出します。



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今ではすっかりおなじみのカラバオ(水牛)。
実はカラバオはスペイン統治時代にフィリピンから持ち込まれました。
以降、人々を乗せて、荷物を乗せて、また農作業にと
暮らしに欠かせない家畜となっていきます。



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スペイン統治時代、もっとも人々に大きく影響を与えたのは
キリスト教(カトリック)の普及です。
古い教会の写真や、祈りを捧げる人々など
モノクロの写真が展示されています。



古代やスペイン統治時代の話しは聞く機会も多いのですが、私が興味深く見たのはアメリカ海軍統治時代からのグアムについて。さまざまな国の統治を経て多くの混乱もあったと思いますが、少しずつ現在のグアムが形作られていきます。



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「グアメニアンズ」と題したこちら。
現在のグアム島旗のブループリントが展示されています。
この図案がデザインされ、グアムの旗として公式に認められたのは1917年。
アメリカ海軍統治時代でした。



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現在もセレモニーなどで唱和されるグアム讃歌が作られたのもこの時代です。
こちらは1919年に書かれたグアム讃歌の楽譜。
レイモン・マネイリイセイ・サブラン氏によって作られましたが、歌詞は英語です。
現在歌われているチャモロ語の歌詞が作られたのは1974年。
ラグリマス・レオンゲレロ・ウンタラン氏によって翻訳されました。
今日、多くの女性議員が活躍していますが
ウンタラン氏は1954年に誕生した、選挙で選ばれた初の女性議員です。



現在、グアム経済の柱となっている観光業が法的に成立したのは1952年。グアムに初めて観光客を乗せた飛行機が着陸したのは、それから遡ること20年ほど。1930年代のことです。これもアメリカ海軍統治時代です。



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いつ頃のものでしょうか。
年代は書かれていませんでしたが、
グアム政府観光局のポスターも展示されていました。



最後は現代のグアムのアート、ミュージックなどサブカルチャーの紹介です。



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長い歴史を経て辿り着いた現代のグアムに生きる者たちが表現する
グアムの人々、暮らし、自然など。
一人ひとりが感じる今を表現しています。



この企画展は5月まで。ご来島の際にはグアムが辿った歴史とともに、ここに息づく人々の魂も感じてください。


さて、ミュージアム入り口横にはギフトショップもオープンしています。ここにはオリジナルグッズの他、ローカルアーティストの作品やメイド・イン・グアムなアイテムを購入することができます。



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ギフトショップには
グアムで活躍する画家の大作から、お土産に最適な小物や雑貨、
そしてチャモロ語で書かれた本や絵本も充実しています。
ショップ内にはカフェもオープン。



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リップバターやヒーリングバームなど
素敵なパッケージのメイド・イン・グアムの新商品も発見!



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お土産にオリジナルアイテムはいかが? 



グランドオープンを迎えたグアムミュージアム。ぜひグアムの首都、ハガニア観光の際にはお立ち寄りください。



<インフォメーション>

店名:グアムミュージアム(Guam Museum)
営業時間: 10:00AM~5:00PM
定休日:月曜日
住所:193 Chalan Santo Papa 
Juan Pablo Dos. 
Hagatna, Guam 96910
ロケーション:ハガニア地区チャモロビレッジ向かい
入館料:大人$3、学生$1、子供(6歳以下)と55歳以上は無料
電話番号:988-4455


※記事内の料金は2017年3月17日現在のものです。