ココナツなしには語れない南国の暮らし。貴重な自然の恵みココナツに感謝を込めた第1回ココナツフェスティバルは、なんと1948年にイナラハン村で開催されていたのです。
当時、ココナツはドリンク、薬、家屋、燃料などに広く利用され、島の暮らしを支えていました。
トロピカルリゾートの象徴である椰子は、花、葉、実、幹のすべてが暮らしの中で使われました。
ココナツの果実内部に溜まった水は、飲み物として喉を潤しました。
固形の胚乳は食材として用いられた他、髪や体に塗って体温低下を防ぐことにも利用されました。
外側の殻のすぐ内側にある繊維は焚きつけの燃料やロープとなり、開花前の花軸を切ったときに出る樹液は、そのまま飲めば甘いジュースに、発酵させればヤシ
酒(ツゥバ)になります。また、幹は建材やカ
ヌーや食器に、葉は屋根を葺いたり、籠や敷物などの編み細工に用いられました。胚乳を乾燥させたコプラから採れる油は、化粧品や石鹸の原材料として今日も
用いられて います。捨てるところがないと言われるココナツ、まさに南国の生活様式を育んできた神の恵みなんですね。
ではここで、いかにココナツがグアムをはじめ太平洋の島々で重宝され、利用してきたかを
垣間みる貴重な作品をご覧いただきましょう。
1.収穫を祝う催しの際に、果物や魚など自然の恵みを入れたとされるバスケット。
2.ココナツの葉で編んだ大きな篭。ココナツや魚を大量に入れるためのものだったようす。
3.ココナツのシェルに木から取った繊維で取っ手をつけたもの。飲み物などを入れて持ち運ぶために作られたようです。
4.ココナツの葉で編んだ釣りの罠。
5.ココナツの葉の芯の部分で編んだバッグ。なかなか素敵です。
6.木とココナツのロープで作った釣りの仕掛け。海水40~60フィートに沈め、カヌーに繋いで利用したとか。
7.スピアにもココナツのファイバーが使われ、本体と槍の部分を固定しています。
これらの写真は、アメリカの食文化の歴史と太平洋の島々の食文化を紹介した「FOOD IS LIFE」で展示されていた貴重な作品です。
主催したグアムヒューマニティーカウンセルは、アートや文化、歴史を重んじるユニークなイベントを企画、運営、開催しています。詳しくはhttp://www.guamhumanitiescouncil.org/
さて、このように珍重されてきたココナツにちなんだイナラハン村のフェスティバルが62年前の1948年から6年間、そして1973年に一度行われていたことを受け、歴史あるイベントを復活させよ!という気運が 高まり、今年蘇ったのです。
イベントの舞台はゲフパゴ文化村、4月30日(金)~5月2日(日)の3日間、ココナツのデモンストレーションに始まり、パフォーマンス、クラフト、葉編み、カラバオライド、ペイントなどのコーナーが設けられ、ゲームやおもちゃを売る屋台も登場し盛大に開催されました。
ココナツの葉や実でデコレーションされたゲフパゴ文化村は、いつもとはひと味違う装いで、大勢の島民や旅行者も訪れ賑わいました。
こちらは、今年度のココナツ・クィーンのみなさん。イベントを華やかに盛り上げました。
グアムの暮らしに深く関わる自然の恵みをテーマにしたフェスティバルは、他の村でも見かけます。
こちらは4月24日(土)と25日(日)の両日行われたタロフォフォ村のバナナフェスティバル。
様々な 種類のバナナのディスプレイ、バナナを使った料理やお菓子の販売など、バナナ一色に染まりました。
さて、今はマンゴーの最盛期。
島の南北を貫くマリンコードライブをドライブしていると、大きなマンゴーの木が沢山の実をつけて
いるのを見かけます。グアムでは、青いマンゴーの実は酢漬けにし、ピクルスとして味わいます。
黄色くなり甘くなれば、そのまま食べたり、ジュースにしたり、ゼリーにしても美味しいです。
そんなマンゴーを、村を代表するフルーツとして、島でいち早くフェスティバルをスタートさせたのが
アガット村。今年で4回目を迎えるマンゴーフェスティバルは6月12日(土)と13日(日)の両日。
開催場所は、アガットコミュニティセンターです。バラエティ豊かな各種マンゴーの試食会や、
マンゴーの育て方のレクチャー、お料理教室など、さまざまな体験プログラムも用意されます。
子供達のためのゲームコーナーやデモンストレーションもあるので、ドライブがてら訪れてはいかがでしょうか?
<インフォメーション>
イベント名:マンゴーフェスティバル
開催日:6月12日(土)13日(日)
開催時間:9:00-21:00
会場:アガットコミュニティセンター
電話番号:(村長オフィス)671-565-2524
URL:http://www.mangoguam.com/