グアムの毎年7月21日はリバレーションデー(Liberation Day)。1941年12月から2年7か月に渡りグアムを統治した旧日本軍から解放されたことを記念するグアムの祝日です。毎年7月になると連日、関連行事が開催され、21日当日は盛大なパレードが催されていました。しかし2019年を最後に2年間コロナ禍により中止。そして今年3年ぶりにたくさんの行事が開催されました。その模様をお届けします。

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こちらはリバレーションデー・フェスティバル(Liberation Day Festival)。リバレーションデーの前週、前々週の2週間にわたり、チャモロビレッジで開催されました。

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コロナ前まではリバレーションデー・カーニバル(Liberation Day Carnival)と言って、移動遊園地が登場し、たくさんのゲームブースが立ち並び、大人も子供も夜遅くまで遊んだものでした。このフェスティバルはその縮小版。子供向けの乗り物やゲームブース、フードトラックが登場しました。

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ゲームブースはすべて子供向け。グアムの子供たちの長い夏休みももう終盤。賞品のおもちゃを目当てにダーツや輪投げなどで盛り上がりました。

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イベントといえばフードトラック。明るい時間帯はかき氷やアイスクリームが人気。日が暮れてくると食事を求めて列ができていました。

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さて、リバレーションデー当日はあいにくの空模様。しかし、早朝からランニングイベントが開催されたり、パレード前にはスキナープラザに新しくできたモニュメント(上写真)のお披露目も。

グアムやサイパンなどマリアナ諸島出身者も多くがアメリカ軍に従事し、太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン紛争、イラク戦争などで命を落としました。彼らの名が刻まれた記念碑には、パレードを見学にきた人たちも数多く足を止めて見ていました。

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しばらくして雨も小康状態になり、いよいよメインイベント、解放から78年となるパレードがスタートです。

パレードはグアムの各村、企業、団体などがそれぞれフロート(山車)を制作し、アデラップにあるグアム政府庁舎からチャモロビレッジ までの道のりを行進。見学者は自分の住む村、勤める企業、知り合いのフロートが近づくと「ビバ!グアム!(Biba Guam!)」と声をかけて盛り上がります。

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また、どのフロートが個性的で素敵か、なんて会話でも盛り上がり、記念撮影に余念にない人も。

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毎回パレードの沿道はすごい人!タープを貼ったり、椅子を持参したり。さらには大量の料理を持参してテーブルに並べて、さながらパーティーのような状態で見学している人もいれば、本当にこの場でバーベキューを焼き始める人も。イベントにかけるグアムの人の熱意には毎回脱帽です。

そうして7月21日も無事終わり、翌日は関連イベントの最終日。イパオビーチパークで、音楽、ダンス、フード、エンターテイメント、そして人気フロートの表彰などが行われ、リバレーションデー一連の行事は無事終了しました。

 

毎年この時期に感じるのは、日本人である筆者を温かく受け入れてくれるチャモロの人々の優しさ。そして、多くの尊い命が失われ彼らの犠牲の上に今の自分たちの暮らしがあることをグアムの人々は決して忘れていないこと。3年ぶりにパレードを見学して、改めて平和の尊さを感じずにはいられませんでした。