今から77年前の1944年7月21日、旧日本軍の占領下に置かれていたグアムが、再びアメリカ領へと取り戻されました。それ以降この日を解放記念日(Liberation Day)とし、毎年戦争で命を落とされた人々を思い敬い、そしてグアムが解放された事を祝いパレードやカーニバルが開催されています。

毎年開催されるリベレーションデイ パレードは、グアム準州知事が働くガバナーズオフィス(Governor’s Office)のあるアデラップ岬からハガニア地区のチャモロビレッジ(Chamorro  Villgge)周辺までの約1マイル(1.6k)の道路を、地元企業や団体によるフロートと呼ばれる台車やグアムで暮らす各国の移民などによるパフォーマンスなどが登場します。
平和の祭典として毎年開催されてきたパレードですが、昨年及び今年はコロナの影響により中止になりました。

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グアムのカルチャーやヒストリーが色濃く感じられるフロートはパレードの見どころの一つです。

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毎年沿道には多くの人々が集います。
数日前からテントを張り場所取りをする人、当日にはファミリーが集まりBBQを楽しむ姿も見られるほど。
グアムでは一番の大きなイベントです。


パレードの開催が中止となった今年、KGTF Channel 12(グアム教育省のテレビ放送)とPBS Guam(グアム公共放送サービス)のYouTubeチャンネル及びFacebookで、ライブ配信にて特別番組が放映されました。

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テーマを「Village to Village We Are Survivors」と題し、雨の中、ガバナーズオフィスで行われた解放記念式典が中継された後、戦争体験者がこの島での自らの経験を語り、戦時中の島内の映像が流れました。
そして番組内では2019年に開催されたパレードの映像を流し、バーチャルパレードが行われました。
[第75回2019年リベレーションデイ パレードの記事はこちら]
 


そして今年のメインイベントとなったのは、夜8時から開催されたリベレーション  ファイヤーワークス&ドローンショー(Loberation Fireworks & Drone Show)。

グアムで初めてのドローンショーはタモン湾にて8時からスタート。花火はタモン湾、ハガニアのボートベイスンにて8時15分より同時に打ち上げられ、ドローンショーと花火に合わせてラジオからテーマ音楽がシンクロできる演出がありました。
※2か所の花火に合わせメリッソ桟橋沖でも8時15分から打ち上げ予定でしたが、7月24日に延期されました。

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バラバラと一台ずつのドローンが少しずつ形となり、グアム島が現れた瞬間観衆から歓声が上がりました。

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皆が同じ空を見上げながら目にしたグアムの紋章やアメリカの国旗は美しく夜空を彩りました。

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ナースとドクターの姿が空に光り、その後にはFRONTLINE HEROSの言葉が。
初めて見たドローンショーでしたが、コロナ渦の解放記念日を祝うにふさわしいメッセージ溢れた演出で100機の小さいドローンが多くの人々に感動を与えました。

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ドローンショーが終わると花火のスタートです。リベレーションデイ パレードでもよく耳にする言葉「Biba Guam!(Biba=万歳のような意味)」があちらこちらで聞こえました。

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7月21日の夜、タモンには多くの人が集い久々に渋滞となったホテルロード。普段はイライラした渋滞もこの日は嬉しい気持ちに。車から、そして歩道を歩いている人で「Happy Liberation Day!」と声をかけ合う姿にフレンドリーなグアムの人々の良さを再確認!


その他にも各地で解放記念式典や追悼イベントが行われました。
グアムで初めて開催されたドローンショーは、新たに目にしたエンターテイメントとなり、コロナ渦で迎えた77回目のリベレーションデーの思い出として心に強く残ったことでしょう。
来年7月21日のグアム、そして世界各国が、今よりも安全で平和な日となるよう願わずにいられない2021年のリベレーションデーでした。