「第12回ディナニャ・ミナゴフ・ダンス コンペティション&フェスティバル(12th Annual Dinaña Minagof Dance Competition & Festival)」が今年もグアム大学のフィールドハウスで6月27日(土)・28日(日)の両日行われました。来年には「第12回 フェスティバル オブ パシフィックアーツ(12th Festival of Pacific Arts)」を控え、ホスト国となるグアムではチャモロカルチャーの継承と復活への気運が高まっています。そんな中で開催されたグアム最大のダンスイベントは、チャントや歌のパフォーマンス、ファッションショーなど新しい試みも用意されていました。
歌を唄いながら踊りを表現する
「チャンティング(Chanting)」。
チャモロダンスの中でも重要な要素に
位置づけられているパフォーマンスです。
「ディナニャ・ミナゴフ・ダンス コンペティション&フェスティバルの主催は、2001年に設立されたグアムのチャモロダンスのお家元的存在パ・ア・タオタオタノ。グアムの文化や伝統的なパフォーマンスを研究し、後世に伝える活動を地道に続けてきたNPO団体です。現在メンバーの数は1,000人近くまでふくれあがり、門下に15の認定GUMA(グマ:チャモロ語で家を意味する)と呼ばれるチームが存在します。そのグマはグアムだけでなく北マリアナ諸島、アメリカ本土、日本などにも広がり、グアムのチャモロ文化振興のために活動しています。
オリジナルのステージを披露します。
チャモロダンサーすべてが練習の成果を発表する、
ダンスグループ活動の集大成となる年に1度のイベントです。
グマ「タオタオタノ」からはたくさんのお弟子さんたちが独り立ちを果たしました。
グマリーダーの多くが、チャモロダンスを教える事のできる資格
「フィファナグエ」 (Fifa'nague)のレベルを取得しているか、目指しています。
多くの地元の若者たちがチャモロダンスの技術を習得し、
踊りで自らの文化を表現する喜びと尊ぶ精神を継承しています。
「パフォーマンス」「衣装」「オリジナリティ」など数多くの各観点から
審査員が50点満点で審査を行います。
スペイン統治時代のグアムの民族衣装「ミスティーシャ」。
時代によってリズムやコスチュームに変化があるのも
チャモロダンスの魅力です。
パートナーシップで開催されました。
その後、パフォーマーの技術は年々向上し、
ダンサーの裾野も広がりを見せています。
日本から参加のグマ「イ・タオタオ・キナフル・ アッダオ・ナ・タオ(I Taotao Kinahulo' Atdao na Tano'。"日出る大地の人々"という意味)。茨城県水戸市を拠点にチャモロダンスの教室を開催する野平麻美さん率いる、日本人だけのチームです。野平麻美さんは、チャモロダンスマスターであるフランシスコ B.ラボン氏によって日本人で初めて、自らのチャモロダンスグループを結成できるグマリーダーに認定され、多くの生徒さんと共に晴れのステージで日頃の練習の成果を見せてくれました。
優しい笑顔を絶やさず思いを込めて踊る姿が印象的でした。
このイベントがチャモロ文化の継承に大きな役割を果たして来た成果でもあります。
グマリーダーの野平麻美さんは
今年もチャモロ語でのあいさつ、一部日本語に歌詞を変えたチャモロソングを
ステージに織り交ぜ、会場から歓声が巻き起こっていました。
スティックでリズムを取り華やかに舞うステージは、
西洋文化の訪れを謳歌するグアム島民の心弾む心地を表現し、
会場全体を幸せな気分にしてくれます。
2010年、2014年にも参加されています。
本来は日本舞踊の先生ということですが、
さまざまな踊りに挑戦することで、
海外の仲間との交流を楽しんでいるそうです。
こちらはジェシー&ルビー。
グアム政府観光局のコマーシャルなどでも使われている
軽やかな歌声が印象的なグアムの人気アーティストです。
次にグアムで開催される大きなカルチュラルイベントは、2016年の5月22日(日)から6月4日(土)まで開催が予定されている「第12回フェスティバルオブパシフィックアーツ」です。このイベントは1972年より4年ごとに開催される太平洋地区最大のお祭りです。太平洋エリアの27の島々から2,500人を超えるパフォーマー、アーティスト、職人が集まり、2週間に及ぶお祭りを盛り上げます。このイベントに向けグアムのダンサーたちも新しい目標に向かって練習に励む事でしょう。