数ある世界的なビューティーコンテストの中でも一番長い歴史を誇る「ミス・ワールド」。そのグアム代表を選ぶ最終選考会が、9月2日(金)にハイアットリージェンシーグアムで行われました。1951年の開催以来今年で61回目となるこの世界大会は、11月にロンドンで開催される予定です。世界中の人が見守る、世界一の美女を選ぶイベントへの出場権を賭けたグアム大会では、14人のアイランドガールが美を競いあいました。

「2011年 ミス・グアム・ワールド」に選ばれたシエラ・ロバートソンさん。


午後6時30分、開演直前の会場はすでに興奮に包まれていました。観客の多くがドレスやワンピースで着飾り、会場はラグジュアリーな雰囲気でいっぱい。テレビカメラや取材のカメラマンたちの姿をあちこちに見かけます。美女を間近で見定めようと前方の席に陣取る観客、候補者の応援団などもすでに客席に着いています。

ステージの前に用意された審査員席には選考書類が準備されていました。
スクリーンには14人の候補者が順次映し出され、会場には緊張感が漂います。


いよいよ開演。
14人の美女の登場に、会場からは歓声が巻き起こりました。


観客も準備万端で会場に駆けつけてきています。
応援するファイナリストが登場する度に、
大きな歓声を送っていました。


午後7時、いよいよグアム最終選考会がはじまりました。アメリカ合衆国の国歌、チャモロ島歌、チャモロブレッシング(グアム式のお祈り)に続き、主催者側の挨拶や審査員の紹介が行われたあとに、14人のファイナリストがステージに登場。この日に向けてトレーニングを受けてきた美女たちの、熱い戦いが幕を切りました。

一人一人ランウェイをウォーキング。
何度も練習を積み重ねてきたのでしょう。
笑顔を絶やさず堂々と美をアピール。


候補者の一人一人が紹介され、それぞれがこの日に至るまでに行ってきた、グアムのNPO(非営利団体)でのボランティア活動の内容やその重要性について審査員や観客に語りかけます。グアムのNPOとは、たとえば不治の病を患う子供たちの夢を叶える世界的なボランティア組織「メイクアウィッシュ」、他にも「キャンサーファンデーション」「エリカズハウス」「GAIN」「サルベーションアーミー」など、いずれも私たちの社会が抱える問題をサポートする大切な組織ばかりです。ミス・ワールドのキャッチフレーズは"BEAUTY WITH A PURPOSE(目的ある美)"というタイトルがつけられています。つまり、外見の美しさだけでなく様々な社会問題に関心を持ち、そして自らの考えを持つその知性や行動力も審査の対象です。

今回のスポンサーである「DISSY INC.」から提供されたセクシーな
スイムスーツと「SMストア」から提供されたハイヒールでの水着審査。


スペインやアメリカ、日本による統治の歴史があるグアムでは、
スパニッシュや白人、そしてアジアなどとの混血の家系がほとんどです。


水着審査ではランウェイを歩き中央でポージング、その後1人ずつ自己PRのスピーチを行います。ここで、説得力のある話し方や自分の考えをきちんとまとめて分かりやすく伝えられるか、人に共感を与えられるかが問われます。皆さんずいぶんとレッスンを積んできたと思われますが、緊張のあまり早口になってしまう人、レッスンの成果が実り輝いて見える人など様々です。そして次はドレス審査。自分の魅力を引き出す豪華なドレスに身を包み、再びランウェイに登場した14人はセミファイナルに臨みます。

14人から7人へ候補者が絞られ、
セミファイナルに残った美女たち。


7人に選ばれてからも、まだまだ難関が待ち受けています。今度はガラスのベースに入れられた質問カードを引き回答するというもの。グアムの社会についてや自分にとっての美しさの価値など、難問が待ち受けていました。そして候補者は4人へ絞られました。

ファイナルに進んだ4人に出された質問は「グアムという島の存在を知らない人も多いと思われるロンドンの舞台で、あなたは世界に対しグアムの代表として、どのように島について語ってくれますか?」というもの。数人の候補者がグアムの特異性としてホスピタリティーを挙げていました。

予想される質問内容に対する回答は準備しているものの、
会場を包む緊張感の中、言葉を詰まらせた人、
説得力ある語りかけでスピーチをまとめた人など様々です。


司会者の質問に答えている時の立ち居振る舞い、
表情、表現力、すべてが審査対象です。


ついに2011年 ミス・グアム・ワールド決定の瞬間がやってきました。興奮と熱気に包まれる中、3位、2位と発表され、最後に2011年 ミス・グアム・ワールドが決定!
その栄誉に輝いたのはシエラ・ロバートソンさん21歳。グアムコミュニティーカレッジに通う学生さんで、スラリと背が高い、とってもチャーミングな女性でした。

候補者全員がステージに並び、2011年のグアム代表の発表を待ちます。
3位、2位、フォトジェニック賞、マデリンボダリオ賞などが発表されました。


2011年 ミス・グアム・ワールドはこの2人から選ばれることになった瞬間、
2人は抱き合い手を繋いで結果発表を待ちます。


私たちの暮らすグアムを代表して世界へ挑んでくれる美女が決まる瞬間。
会場は緊張に包まれます。


ティアラとガウンを身につけたシエラ・ロバートソンさんに
会場から拍手喝采が巻き起こりました。


グアムが始めて代表をロンドンに送り込んだのは、第20回ミス・ワールドが開催された1971年。元ファーストレディのマデリン・ボダリオ議員の娘であるデボラ・ボダリオさんが代表の座を射止めました。デボラ・ボダリオさんはグアムが初出場であるにも関わらず、ロンドン大会でセミファイナルに残る快挙を成し遂げ、グアムを世界の舞台でPRしました。

会場で配布された記念誌には、
「美は造り出すものでなく、自らがすでに持つ人間関係や暮らしに目を向けて
感謝する心が生み出すもの。人となりが大切。」と候補者たちへメッセージを贈った
デボラ・ボダリオさんが紹介されていました。


それ以降、1972年グアム代表のマリールーパンゲリーナさん、1982年グアム代表のフランセス・リムティアコさん、1987年グアム代表のフランセス・カラコルさんなど、グアムの美女は世界大会で何度も活躍してきました。そして1976年にはダイアン・デュエナスさんがミス・ワールドの世界の舞台で準ミスに、1980年にはグアム代表としてキンバリー・サントス・ヒルさんがグアムで始めて世界大会を制し、ミス・ワールドに輝きました。

1980年にグアム代表として世界のミス・ワールドに輝いた
キンバリー・サントス・ヒルさんからは、
コンテストの再開を知った喜びの声とともに、
自らがボランティア活動の重要性に気付くきっかけになったこと、
などのメッセージが綴られていました。


ミス・グアム・ワールドは90年代後半から一時中断となり、今年15年ぶりの開催となりました。グアムにとっては記念すべき大会への出場権を今回射止めたシエラ・ロバートソンさんの、ロンドンでの活躍を楽しみにしています!