グアムモダンアートの唯一の展示会「ギャックス(GAX)」。一年に1~2回のペースで開催され、今回早くも7回目を迎えました。参加アーティストも増え、来館者も増加の一途を辿っています。絵画だけでなく写真や彫刻など、斬新な今のグアムの空気感が漲る多彩な表現を楽しめます。作品発表の機会が少なかったグアムの若手アーティストにとって、ギャックスは展示の機会であるだけではなく、アーティスト仲間を増やし、刺激を受ける貴重なイベントとなっています。会場となった「ザ・プラザ(THE PLAZA SHOPPING CENTER)」内サウス2階のサマリー向かいの会場には、独創的でユニークな若いアーティストのパワーがみなぎっています。期間は7月3日(木)から27日(日)まで、月曜日から木曜日が5:00PM~10:00PM、金曜日から日曜日が12:00PM~10:00PMです。
入場は無料ですので、お買い物やお食事の際に是非お立ち寄りください。

今回のギャックスで一番大きな作品は、
グアム在住の洋画家である榊原康範(さかきばら やすのり)氏が
描いたチャモロ人の肖像です。

榊原康範氏は「油彩」と「テンペラ」(卵黄やにかわなどを混ぜた絵具を用いた絵画技法)による古典的絵画で、数々の受賞歴があります。精密でリアリスティックな描写が特徴です。今にもキャンバスから出てきそうな存在感で、見るものを魅了していました。昨年グアムに移り住み、ローカルアーティストの仲間入りを果たし、ギャックスへは今回で2度目の参加です。若いアーティストたちとも友好を深め、頼れる先輩として慕われています。

ハガニア地区の高台から見下ろした、ハガニア湾。
奥にはタモン湾も広がります。
一軒一軒の家まで厳密に描かれているのには驚かされます。

フィリピンのアートスクールの教授を勤め、2011年に
グアムに移住して来たマーシャル・ポンティラス氏の作品。

マーシャル・ポンティラス氏は、人間の心模様に迫るコンセプチュアルアートを得意としています。格子のような白い線の奥に広がる混沌とした街の風景は、世界を眺める第三の視線を示唆しているようです。

「情熱のない人生は無意味だ。」という哲学を持つ
シンダー・マカラエグ氏の作品。

グアムのポップアートの第一人者、ジェフ・イージャン氏の作品。
今回は作風が随分変わり、新しい境地に踏み出したことを伺わせます。

こちらもジェフ・イージャン氏の作品。

ジェフ・イージャン氏の場合、高校時代の美術の先生との出会いがアートの道へと導いてくれたと言います。アーティストの兄貴分的存在のジェフ・イージャン氏に誘われ、趣味で制作活動をしていた多くのアーティストが、ギャックスに参加しています。

コミカルなキャラクターとヴィヴィットな色が印象的な
ディーン・ブラス氏の作品。
暇さえあれば絵を描いている、というお父さんだそうです。

写真とグラフィックデザインを学ぶ学生
メリッサ・スティエフェル氏の作品。
若い学生さんらしい、スタイリッシュで斬新な表現です。

海をテーマにした写真を撮り続けている
フォトグラファーのレイ・ブラス氏の作品。

1960年代のポップアートを彷彿とさせる
ジョッシュ・サントス氏の作品。

グアムで生まれ育ったジョン・ダミアン氏の作品。
幼い頃、釣りや海の生き物を捕まえて遊んだビーチでの記憶を
作品に込めているそうです。

ギャラリーは広くはありませんが、
常夏の島で暮らす感性豊かなアーティストの
様々なアプローチが楽しめます。

ギャラリー内にはソファも置かれているので、
お子様連れでも安心して訪れることができます。

ザ・プラザのノース2階、カジュアルファッションショップ
「ディーエヌエー エボリューション(DNAEVOLUTION)」脇の
エスカレーターを上がったところが会場です。

グアムの若手アーティスト作品が一堂に会する貴重なイベントである、ギャックス。今回は期間内にムービーナイト、ポートレートナイト、ジャズナイトなどの特別企画も用意されています。グアムのアートシーンの中核イベントであり、今年秋にも再度開催される予定です。開催日時が決まり次第WEEKLY GUAMでご案内しますので、是非チェックしてくださいね。

ギャックスのFacebookページはこちらから。
https://www.facebook.com/GUAMARTEXHIBIT