8月25日(木)から27日(土)までの3日間、ザ・プラザ内で「ザ・グアム・アート・エキシビット・フォール2011(The Guam Art Exhibit Fall 2011)」という展覧会が開催されました。今年で3回目となるこの展覧会。グアムの若いアーティストたちの枠にとらわれない、個性豊かなアイデアや才能を存分に発揮できる場として、毎年多くの若手アーティストが集まっています。 グアムで生まれ育ったという誇りやアイデンティティを再認識し始めているという彼らは、その思いを作品に表現。今年は「グアメニアン(グアムの人々)」としての視点から表現された作品も多く見られました。
こちらは展覧会のポスター。
メインビジュアルになったイラストも、とってもポップでユニークです。
作品は陶器、写真、ポップアート、デジタルアート、水彩画、デッサンなど様々。どの作品も豊かな色彩、伸びやかなタッチ、そしてユニークな切り口で、見る者を引き込む個性あふれるものばかり。
恋人岬を背景に、東芝のテレビ、ヤマサの醤油瓶、
アサヒビールの缶が海に浮かんでいたり、
イエス・キリストにサンタクロース、スマートフォンまで登場。
グアムのどんな側面を表現したものか、見る者の想像をかきたてます。
こちらはおばあさんと孫でしょうか?
一緒にカップケーキを食べる様子はグアムの生活の一コマのよう。
おばあさんも孫も表情豊かで微笑ましい作品です。
不要になったカセットテープを画材にした作品。
その突飛なアイデアも若さ故?!
出展しているアーティストは20代が中心で、観客も若い人が多く、会場には若者の熱気があふれていました。またワインやビールのサービスもあり、皆さんグラスを片手に作品に見入っていました。
撮影時は開場すぐで人もまばらでしたが、
30分もすると多くの人が訪れました。
第一線で活躍しているプロのアーティストも訪れ、
若手の作品を興味深く見ていました。
こちらはこの展開会を企画したベーカー夫妻(写真右2人)。「作品を発表する場がなかったり、小規模な展覧会で多くの人に見てもらえなかったり、若いアーティストたちは素晴らしい才能がありながらも様々なハードルを抱えています。彼らにチャンスを与えると共に、新しく斬新な彼らの作品に私たちも刺激を受けたいと思っています」と話してくれました。
右の2人がベーカー夫妻。
ファミリーが経営するホテルのインテリアを手がけるなど
ベーカー夫人自身もアーティスティックな女性。
でも専門的に勉強したことはなく、独学で学んだとか。
夫人がおすすめするイラストレーター兼デザイナーは、写真左のジョシュア・アゲストランドさん。
本の挿絵やTシャツデザイン、商業イラストなどを手がけて、すでに幅広く活躍中の26才。ご夫婦と共に、この展覧会のオーガナイザーも務めました。
彼の作品はどれもユーモアあふれるものばかり。
そしてもう一人、残念ながらお会いすることはできませんでしたが、弱冠21才の若手写真家パトリック・カマチョさんの作品はこちら。ベーカー夫人曰く「グアムを様々な角度から撮影していて、これからが楽しみな写真家」だそうです。
この時に展示されていたものは人物画が多く、
どれも幻想的な美しい写真ばかりでした。
会場には未来のアーティストたちによる実演(?)もありました。子供たちが自由に描くのびのびとした絵に癒され、会場内の若いパワーを感じながら、アートの本来あるべき存在価値を見つけたような気がしました。
何の迷いもなく、すらすらとペンを走らせる子供たち。
ここから将来のアーティストが誕生するかもしれませんね。
この小さな島にも若さにあふれる様々な才能が、まだまだ眠っていることを感じさせてくれたこの展覧会。
今後の彼らの成長がとても楽しみです。