6月3日(月)から9日(日)までの一週間にわたり「ヒルトン・グアム・リゾート&スパ(Hilton Guam Resort & Spa)」のテニスコートにて、賞金総額$10,000をかけた「2013ラコステGVBフューチャーズテニストーナメント(Lacoste GVB Futures Tennis Tournament 2013)」という大会が開催されました。こちらはグアムではあまり見ることができない「プロの選手」たちによる国際大会です。2010年にスタートし、今年で3回目となるこちらの大会には、日本をはじめ、アメリカ、オーストラリア、韓国、中国、インドなどの各国からプロのプレーヤーが集まり、素晴らしいプレーで会場を盛り上げてくれました。
こちらはシングルスで準優勝を果たした「志賀正人」選手。
まずは、テニスをあまり詳しく知らないという方に「フューチャーズ(Futures)」というのが何なのかをご説明いたします。
「男子プロテニス協会(ATP / Association of Tennis Professionals)」が主催する男子テニスのトーナメントに出場するには、国際ランキングの上位にランクインすることが必須条件となります。特に「グランドスラム(Grand Slam)」と呼ばれる「4大国際大会(全豪オープン / 全仏オープン / 全米オープン / ウィンブルドン選手権)」には、名だたる一流のプレーヤーたちがエントリーしているので、若い選手やまだ実績の少ない選手は、なかなか出場するチャンスを手にすることができません。そういった選手たちがランキングを上げるために必要なポイントを稼ぐことができるのが「フューチャーズ」という大会なのです。「フューチャーズ」は英語で書くと「Futures」。直訳すると「未来」いう意味です。そう、この大会はこれから世界へ羽ばたく若い選手たちの登竜門であり、現在ランキングトップクラスのプレーヤーたちも、まずはこの大会からスタートし、未来へ羽ばたいていったのです。
さて、ここからは先週グアムで行われた「2013ラコステGVBフューチャーズテニストーナメント」の様子をご紹介いたします。
今回、こちらの大会には34カ国から134名の選手がエントリーしました。そして、予選を勝ち抜いた32名が6月3日(月)からの本戦に臨みました。ダブルス、シングルスともにプロの試合はとっても迫力がありました。ボールを打つ「パコーン」という音がグアムの空に響きます。
会場となったヒルトン・グアム・リゾート&スパの
テニスコートには、球を打つ力強い音が連日響きわたっていました。
こちらはダブルスの試合の様子。
コート向こうでサーブを打っているのは
グアム代表の「ジョシュア・セペダ(Joshua Cepeda)」選手です。
こちらは日本代表の「三橋淳」選手です。
このような国際大会がグアムで開催されることは、ローカルにとっても大きな楽しみです。そして、テニスに励む子供たちにとっても良い刺激を受けることになるでしょう。グアムには「テニス・アカデミー・オブ・グアム(Tennis Academy of Guam / TAG)」という団体があり、グアムでテニス教室を開催するほかにも、各学校に出向いてレッスンを行ったり、グアムで開催されるテニス大会のマネージメントなどを積極的に行なっています。テニス・アカデミー・オブ・グアムの子供たちは、ボランティアとして大会に参加しており、ボール拾いなどをしていましたよ。
また、本大会開催期間中にはスペシャルゲストとして招待された、スロバキア出身のシングルス世界ランキング12位の「ドミニク・フルバティ(Dominik Hrbaty)」選手によるテニスレッスンも行われていましたよ。
テニス・アカデミー・オブ・グアムの子供たちが
一流プレーヤーに直接指導を受けている光景。
とっても貴重な経験になりますね。
またとない機会に、子供たちも練習に力が入りますね!
このような大会は出場している選手のほか、ボランティアをはじめとする多くのスタッフによって運営されています。その中の一人に「スワミー(Swami)」さんというローカルの男性がいます。彼はプレーヤーでもなく審判でもありませんが、第一回大会からボランティアとして参加し、テニスへの強い関心と真面目に働く姿が高く評価され、グアム以外で開催されているテニスの国際大会にもスタッフとして参加しています。ラインズマンや、研修という立場ですが、なんと主審判を務めたこともあるそうです。伺ってみると「将来もテニスに関する仕事がしたい」と仰っていました。
テニスのほかにも、様々なスポーツの国際大会が今後も数多くグアムで開催され、プロの選手の素晴らしいプレーを前にしたグアムの子供たちが、夢や希望を膨らませてくれればと思います。
グアムで開催された「フューチャーズテニストーナメント」をきっかけに
各国の大会でスタッフとして活躍しているスワミーさん。
10月に開催される「ジャパン・オープン・テニス選手権(Japan Open Tennis Championships)」にも
スタッフとして申請を出されているそうです。
さて、気になる本大会の試合結果ですが、シングルスではインド代表の「サケス・マイネニ(Saketh Myneni)」選手、ダブルスでは日本代表の「佐藤文平」選手と「内山靖崇」選手が優勝を果たしました!
今季4つめのタイトルとなったサケス・マイネニ選手は
試合後、サインをお願いする子供たちに囲まれていました。
こちらがダブルスで優勝を果たした佐藤文平選手(左から2番目)と
内山靖崇選手(右から2番目)。
オフシーズンになると、プロ野球選手をはじめ、多くのスポーツ選手がトレーニングの場として訪れているグアム。2年前には「国際サッカー連盟(FIFA)」公認の素晴らしいサッカー場が完成、ほかにも、今年からスタートした「グアムインターナショナルマラソン(Guam International Marathon)」には「国際陸上競技連盟(IAAF)」「国際マラソン・ロードレース協会(AIMS)」公認のコースが用意されました。そして、今回のような国際大会が開催されるなど、ここ数年でグアムのスポーツシーンは大きく変化を遂げています。
グアムは小さな島ではありますが、整った環境でスポーツに励み、世界の素晴らしいプレーを見る機会が増えることはローカルにとって、そして子供たちにとって大きな喜びとなっています。日本の皆様にも、国際大会の観戦、スポーツイベントへの参加を楽しみに、グアムへ訪れていただければ幸いです。