アデラップにあった「グアム博物館(Guam Museum)」をご存じの方はいらっしゃいますか?

閉館してからもう7〜8年は経つこの博物館。その後、ショッピングセンターなどに移転して、一部の展示物を閲覧できた時期もありましたが、ここ数年は展示品も保管されたままで、一般に公開されることはありませんでした。

ですが、グアム島民の多くの願いが実り、グアム博物館建設計画が進むこととなりました! 建設場所はハガニア地区の「スキナー広場(Skinner Plaza)」。 聖母マリア大聖堂の斜向い、グアムの首都にある数々の遺跡が点在する一角に、最新の展示技術やユニークなアイデアを駆使してグアムの歩みを公開する大規模な博物館が完成するのは2014年の予定です。

今回は少しずつ明らかになってきたグアム博物館についてご紹介します。

グアム博物館には政府の管理するコレクションに加え、 プライベートコレクション、そしてフィリピンやヨーロッパ、アメリカなどから 貴重な展示物が収集される予定です。

建設地はスキナー広場に続く一角。 一番奥の道がマリン・コア・ドライブ、右端に見えるのが聖母マリア大聖堂です。

先日行われたグアム博物館の メンバーシップの公募に際してのボードメンバーによる記者会見の様子。 計画の進行状況について説明されました。

グアム博物館のシンボルになるであろう正面アーチの高さは40フィート、スキナー広場の面積の約30%がこの博物館になるそうです。

館内は5つのエリアに分かれグアムの自然から歴史まで幅広く紹介される予定です。

1つ目のエリアはナチュラルヒストリー(自然史)。 2つ目はプリラッテ期(9世紀以前)。 3つ目がラッテ期(9-15世紀)。 4つ目がスパニッシュ期(1668-1898年)。 そして最後の5つ目が第二次世界大戦前後。

第二次世界大戦前後はアメリカ海軍統治期(1898-1941年)、第二次世界大戦下日本統治期(1941-1944年)、第二次世界大戦後のアメリカ統治(1944-1950年)に再分割されます。

記者会見場には今まで見た事のない19世紀のグアムの写真が紹介されていました。

1819年とされるスペイン統治時代のハガニアの写真。 当時、ハガニアにはすでにミクロネシアの島々から来た人々や メキシコ人、フィリピン人、日本人などが暮らしていたそうです。

1876年1月9日に撮影されたとされるグアムの民家。 教会を訪れるためにグアムの伝統衣装メスティザを着た女性と 大きな篭に裸の少年が写っています。

1870年代、ドイツ軍の写真家がアジア及び 太平洋地域を旅した際に撮影した多くの写真を持ち帰っています。

1870年代の写真です。 宣教師にキリストの教えを受ける子供達が写っています。 その後グアムは1898年にスペインの統治が終わり、 アメリカ海軍の統治に変わります。

1819年とされるハガニアの写真。 左手前の女性の左足が腫れているのがわかりますか? 象皮病と呼ばれる体の一部が肥大する病気があったことを伺わせます。

グアム博物館が完成すると、貴重なグアムの過去の姿を目にする事が出来るでしょう。 そこには第二次世界大戦以前から深い関わりを持つ日本人の姿や日本の文化の断片を垣間見る事も出来るのではないかと思います。

また、イナラハン村のヒストリカル地区に「フローレスメモリアルオールドストア&ヒストリーセンター(Flores Memorial Old Store & History Center)」がスペイン時代の面影を残す古い民家を改装してオープンしました。

1900年初頭に建てられた民家で戦前には生活用品を扱う店を開き、地域の人たちが集っていたと言います。

1階はヒストリーセンターとしてオープン。 近くギフトショップがヒストリーセンターの奥に完成します。 2階は引き続き改装工事が終了し次第、 バケーションレンタルとして旅行者に貸し出す予定だそうです。

店の前にはイナラハンの壁画プロジェクトの一環として 昔懐かしい当時の様子が色鮮やかに描かれています。

昔の佇まいを残しながら修復した家の内部には、 投石や葉編みの生活雑貨などの展示がされています。

グアムには、それぞれの視点で歴史や自然を紹介する博物館が他にもあります。

最近展示が一新されたアガット村のアメリカ海軍基地の手前にある 「太平洋戦争記念館(War in the Pacific National Historical Museum)」です。 アメリカ海軍と旧日本軍側に分けて貴重な戦時品のコレクションが展示されており、グアムの博物館めぐり、グアムを深く知りたい方には必見です。

WEEKLY GUAMでは引き続き、グアム博物館の近況もお知らせしますね。

太平洋戦争記念館の模様はこちらから。 http://weekly.visitguam.jp/2012/09/post-328.html