今年で5回目となる「マンギラオ・ドニ・フェスティバル(Mangilao Donne' Festival)」。今年も9月12日(金)の夜から"ミス・ドニ"の戴冠式でイベントがスタートしました。そして9月13日(土)と14日(日)には、終日多くの人出で賑わいました。

今年のミス・ドニはイレーン・タイタノ(Irene Taitano)さん。
ローカルイベントで登場する"ミス・○○""○○クイーン"は
チケットをより多く販売した方が獲得することができます。
その収益は各村へ配分されたり、
今後のマンギラオ村のイベント資金に充てられたりします。

「ドニ(Donne')」とは、チャモロ語で"唐辛子"を意味する言葉。実はグアムの人はとっても辛い物好きで、唐辛子はグアムの家庭の食卓には欠かせない調味料なのです。唐辛子をテーマにイベントを開催できるのも、そんなグアムの食文化があるからこそ。ドニの他、このイベントでは「ピカ(Pika)」という言葉もよく目にしますが、これは「辛い(Spicy)」を意味しています。今回は良く晴れた13日(土)の午後に当イベントに出かけましたが、沢山のドニとピカに出会い、口の中が大変なことになってしましました。

開催期間3日間はとても良い天気だったので、
沢山の方が休日を家族でのんびり過ごしに訪れていました。

会場には沢山のブースが並んでいました。お馴染みのBBQを売るフード屋台、喉の乾きを潤すフルーツドリンクのお店、ローカルアーティストによるクラフト作品を展示販売するブースなどなど。その中でやはりメインは、ドニを使った商品を扱うお店です。「ドニ・ディナンシェ(Donne' Dinanche)」と呼ばれる唐辛子ペーストや「ピカジェリー(Pika Jelly)」と呼ばれるスパイシーなゼリー状のジャムを扱う店が多く、どこでも試食ができるようになっています。

ドニ・ディナンシェやピカジェリーと言っても、
作り手によって味も風味も辛さも全く異なります。

ドニ・ディナンシェは肉料理や魚料理に添えて、ピカジェリーはクラッカーにのせていただくのが一般的。他にも、柑橘類カラマンシーを使った「カラマンシー・ペッパー・マーマレード(Calamansi Pepper Marmalade)」や「レッドペッパー・ジェリー(Red Pepper Jelly)」などが並んでいました。

こちらは、蟹肉の入ったドニ・ディナンシェ。
味見させていただくと確かに蟹肉のようなものが入っていて、
蟹の風味を楽しめました。

中には他の店で買った食べ物に、試食で気に入ったペーストやジャムを添えてもらう人もいました!

これはマンゴー入りのドニ・ディナンシェ。
フルーティーな甘さが加わり、
スパイシーですがまろやかな味わいでした。

こちらもマンゴー入りドニ・ディナンシェですが、作ったのは
「グアム・コミュニティ・カレッジ(Guam Community College)」の
学生たち。自分たちでレシピを開発したそうです。

こちらは、クッキーにピカジェリーがのった
「ピカジェリー・ショートブレッド・クッキー(Pika Jelly Shortbread Cookies)」。
試食はありませんでしたが、さて、どんなお味だったんでしょう?

グアムで人気のスナック、
具を生地で包み揚げた「エンパナダ(Empanada)」のブース。
チキンやビーフなどのメニューの中にあった
"グアム・エンパナダ"はドニ入りです。

ローカルイベントで人気がある鉢植え販売のコーナーでも、一角はドニ一色でした。グアムの人たちは家庭でドニの苗を育てて料理に使っていますので、このイベントでも店の人と話しながら苗を選ぶグアムの人たちの姿を沢山見かけました。

数え切れないぐらい沢山のドニの苗が並んでいました。

上記写真に並ぶドニの苗の種類は、「アセント・ホットバード・ペッパー(Ascent Hot Bird Pepper)」「カイエン・ホットペッパー(Cayenne Hot Pepper)」「チェリー・ボム・ホットペッパー(Cherry Bomb Hot Pepper)」「スコーピオン・ホットペッパー(Scorpion Hot Pepper)」などなど。実の形も細長いものから丸いボールのようなものまで、実に様々です。

イベントでは「ピカデザート」や「ドニ・ディナンシェ」、人気のチャモロ料理でスパイシーなチキンスープ「カドゥン・ピカ(Kadon Pika)」のコンテストなども開催され、辛い物好きなグアムの人たちで盛り上がったようです。
また、イベントの一角には「ファーム・トゥー・テーブル・グアム(Farm to Table Guam Corp.)」のスペースがありました。ファーム・トゥー・テーブル・グアムは、グアムの農業の活性化、その促進のためのマーケット開発、農業に関する雇用創出、食生活と健やかなライフスタイルの提案などを目的に設立されたNPO団体です。こちらには種類は多くありませんでしたが、グアムで採れたフレッシュな野菜が並んでいました。そして土曜日の午前中には、グアムではとっても貴重な新鮮な卵やグアム産の鶏卵の販売があったようです。

こちらが、ファーム・トゥー・テーブル・グアムのスペース。

とっても香りのいいフレッシュバジルの他、
かぼちゃやナスなどが販売されていました。

今年もドニの奥深さ、そしてグアムの人たちの辛い物へのこだわりを体感した一日でした。ツーリストの皆様もお土産物屋さんなどで、ドニペーストを見かけることが多いと思います。日本で簡単に再現できるグアムの味であり、グアムでこれほど愛されている調味料であるドニを、是非ご賞味くださいね。