グアムに来て18年になりますが、なかなかお目にかかれない気になるお菓子があります。お花の形をしたサクサク、ぱりぱりの食感がたまらなく美味しい揚げ菓子で「ロゼット(rosette)」と呼ばれています。グアムのお菓子だと教えてもらったものの、お店で売られていることは滅多にありません。それが先日 グアム歴史村 イナラハン・ゲフパゴ公園(Guam Historical Village at Gef Pa'go Park in Historic Inalajan)で開催されたディナニャ・ミナゴフ・ダンスフェスティバル(Dinaña Migagof Chamorro Dance Festival)に出かけた際に、ロゼットを作るツールが売られていました。花びらのような形はどうやって作られるのか全く見当もつきませんでしたが、作ってみてようやく解明。これで我が家ではいつでもロゼットを作れるようになりました。型は星や花びらの他にハートや丸のカップ型もあり、タルトやプティング、さらにはパーティのフィンガーフードにも使えそうです。

こちらのお店を出していた方に伺ったところ、
地元のイベントやチャモロビレッジのウェンズデーナイトマーケットに
時々出店しているそうです。
ボックスの中には型が6つ、ハンドルが1つ。
これを見ても、どうやって作るのかまだ想像がつきません。
私が購入したものは二股になっているので、
2種類の型を同時に作ることができます。
今回は初回ということで基本のお花の型をハンドルにセット。
基本のレシピの材料はこれだけ。
小麦粉、卵、無糖練乳(エバミルク)、砂糖、塩、これだけです。
最後には飾り用のパウダーシュガーが必要になります。
すべての材料をボウルに入れ混ぜます。
ちょうどホットケーキの種と同じ程度。
泡立て器を持ち上げると種がスルスル流れ落ちる感じ。
ロゼット作りの大切なポイントが油の温度。
350度ぐらいの高温で一気に揚げるのですが、
花型も暫く油に付け温度を上げておきます。
さあ、いよいよロゼットを揚げていきます。
花型を油から上げ、ペーパータオルで余分な油を落とします。
花型を種につけます。
この時側面の3/4ぐらいが目安です。
くれぐれも花型全体を浸けないように。
高温の油に入れるとジューっという音とともに
膨らんでいくのがわかります。
1分ほどすると自然と花型からロゼットが外れます。
裏替えして3秒、程よいキツネ色になれば出来上がり。
最後にパウダーシュガーをかけて完成です。

ロゼットを作るツールは、インターネットでも販売しているようですので、お菓子作りがお好きな方は、是非日本未上陸の味に挑戦してください。

こちらは地元のコンビニで売られていたロゼット。
いつもどこかに必ずあるというものではないので、
見つけたら是非購入してみてください。

ここでひとつ残念なお知らせです。グアムの人もグアムオリジナルのお菓子だと信じてやまないロゼット。実は世界各地に存在していました。英国ではロゼットクッキー(rosette cookies)と呼ばれ親しまれています。スウェーデンではストラヴァ(struvor)という名のクリスマスの定番スイーツです。メキシコやコロンビアではオレンジ色の食紅をつけるソルテリタス(solteritas)、マレーシアやスリランカではココナツの味がするクイ・ロス(kuih ros)やコキス(Kokis)という名がつけられています。南インドは米粉とココナツでアチャッパム(Achappam)、トルコではチョコレートやシナモン味もあるそうです。この他にもきりがないほど世界中に存在していました。しかし、いずれの国でも独自のスウィーツとして進化し親しまれています。グアムもしかり、美味しいものに目がないグアムの人らしく、家庭に伝わる郷土料理として大切に引き継がれてきたのです。ココナツ味やタロ味にチャレンジしてみたいと思います。