グアムにもあらゆる祝日があり、アメリカの歴史に関する祝日や、カトリックにまつわる祝日などその種類は実に様々。カトリックにまつわる祝日は、カトリックの学校などは休校になりますが、公立の学校やカトリック以外の学校は平常通り授業が行われています。同じく会社やお店なども、どの祝日を休業とするかはそれぞれ異なります。

そういった中、グアム政府、学校、多くの会社やお店が休みとなるグアムの祝日が2つあります。ひとつはアメリカがグアムを奪還した7月21日の「リベレーション・デー(Liberaion Day)」。もうひとつはスペイン王から派遣されたポルトガル人の探検家マゼラン一行により、グアム島が発見された3月6日の「ディスカバリーデー(Discovery Day)」です。現在、ディスカバリーデーの祝日は3月の第一月曜日となっています。

3月はこの「ディスカバリーデー」にちなみ、「チャモロ月間(Chamorro Month)」と呼ばれており、毎年様々なイベントがグアム各地で行われています。その中にはツーリストの皆様が参加しやすいものも数多くありましたので、その様子をご紹介いたします。

いくつかのホテルでは「チャモロダンスショー(Chamorro Dance Show)」が
ロビーで盛大に行われていましたよ。
ダンサーの突然の登場にツーリストの皆さんは
とてもビックリしていましたよ。

グアムの原住民であるチャモロ人は、豊かな自然と共生した独自の文化を確立していましたが、マゼラン一行によるグアム島の発見を機に、西洋からの文化が多く流入しました。古代チャモロ人が築いたチャモロ文化は徐々に形を変え、現在では生活の近代化、後継者問題などで失われつつある文化も少なくはありません。

自分たちの祖先が築き上げたチャモロ文化やルーツを再度見つめ直し、チャモロ文化を後世にまで継承しようという目的のもと、グアム政府はマゼラン一行によりグアム島が発見された3月を「チャモロ月間」と制定しました。

「グアムリーフ&オリーブスパリゾートホテル(Guam Reef&Olive Spa Resort Hotel)」の
ロビーにて開催されたイベントの様子。
とっても可愛い衣装を着たダンサーが登場し、チャモロダンスを披露。
グアムに来ても見る機会の少ないチャモロダンスを
ツーリストの皆さんも一緒に踊り、イベントは大盛況となりました。

また「チャモロフード(Chamorro Food)」もこの日は無料で振る舞われました。
チャモロのお料理は日本人の口にもとても合うため、人気を集めていましたよ。
代表的な「チキン・ケラグエン(Chicken Kelaguen)」をはじめ、
パパイヤやマンゴーなどのトロピカルフルーツを使用したピクルスもあり、
日本では味わえない美味しい料理が満載でした。

「パシフィック・アイランド・クラブ・グアム(Pacific Islands Club Guam)」でも
同じくイベントが開催されておりました。
こちらはチャモロダンスショーの様子です。

こちらは「ヤシの葉編み」(Chamorro weaving)のデモンストレーションの風景。
子供の頭のサイズに合わせて、ヤシの葉で冠を作っていました。
これには子供たちも大喜びでしたよ。

他にも「グアムプラザホテル(Guam Plaza Hotel)」のロビーでは、ローカルアーティストによるクラフト作品の展示や、ヤシの葉編みのデモンストレーションが毎週金曜日に開催されていました。ホテルでこのようなイベントが開催されるとツーリストの方も参加しやすく、よりチャモロ文化に関心を持ってもらえるのではないでしょうか。

グアム政府は、チャモロ文化の継承などに力を尽くした人に「マスター(Master)」という称号を与え、マスターを称えたポスターの制作を行なっています。マスターは永久称号で、日本的に解釈すると人間国宝的な意味を持ちます。
3月15日には「チャモロビレッジ(Chamorro Village)」にて、新たに制作されたポスターのお披露目セレモニーが開催されました。「スルハナ(薬草療法士)」「チャモロダンス」「ブラックスミス(鍛冶屋職人)」「彫刻士」の計4名を称えたポスターが披露されました。ローカルの人やメディアも数多く集まり、新たなマスターの誕生を皆で喜びました。

こちらはマスター・フランクに続き、グアムで二人目の
「チャモロダンスマスター(Chamorro Dance Master)」となったEileen R. Menoさん。
歴史遺産が多く点在し、伝統的な暮らしが今なお残る南部イナラハン村で生まれ育ち、
チャモロ語も話すことができる魅力的な女性です。

「スルハナ(薬草療法士)」の新たなマスター、Josefa Certezaさん。
グアムでは古代から植物を使用し治療などを行う女性を「スルハナ」と呼んできました。
西洋医学の登場により、現在スルハナの知識や技術を持つ人は数少なくなってきています。

「シティバンク(Citibank)」は「グアム・ミュージアム・ファンデーション(Guam Museum Foundation)」と協力し「ビバ メス チャモロ!(Biba Mes Chamorro!)」という、19世紀のハガニアの様子を撮影した、貴重な写真の展示会を開催しました。グアムの歴史を知る上で貴重な資料がたくさん展示されていました。

銀行のウェイティングスペースに展示された貴重な写真。

19世紀の人々の暮らしが見える写真の数々。
ローカルの人はもちろん、
ツーリストの方にとっても興味深い写真です。

今回ご紹介したこのようなイベントは、グアムに住む私たちにとっても、珍しく貴重な体験です。
ツーリストの皆さんも3月にグアムに訪れた際は、是非グアムの歴史や文化に触れてみてくださいね。