日本では3月が卒業、そして新たなスタートを切るシーズンですが、グアムでは6月が卒業シーズンとなっています。そこで、この夏、高校を卒業するローカルの男の子の卒業式に行ってきました。今回は、日本とはかなり異なるグアムの高校の卒業式をレポートいたします。


「サイモン・サンチェス ハイスクール(Simon A. Sanchez High School)」を卒業した ジョタン・カマチョくん。
アメリカ本土と同じく、卒業生はガウンに角帽姿で卒業のセレモニーに出席します。


ジーゴ村にあるサイモン・サンチェス ハイスクールの卒業式は、グアム大学のフィールドハウスで行われました。グアムでは各学校に大きな体育館がないので、卒業式のような大きな行事は別の場所で行われます。ちなみに、先週はこの会場で別の学校の卒業式が行われていたそうです。


会場の周りには、いくつものお店が出ています。何のお店かとのぞいてみたら、お金で作ったレイ「マネーレイ」のお店でした。「マネーレイ」は、グアムの卒業には欠かせないアイテムで、昔は木の実や貝殻、花や葉で作られていましたが、いつの間にかお札やコインを使うようになったようです。


生花やキャンディーなどと一緒に作られたものなど
様々なレイがありましたよ。


さて、卒業式の会場は、すでに父兄や関係者でいっぱい。日本の厳粛なムードは想像していませんでしたが、思っていた以上の人出と賑やかさにちょっとびっくりです。そして式が始まり、会場の後ろから卒業生が入場してくると、歓声に交じり、我が子の名前を呼んだり、指笛が鳴ったり。スタンド席では光り物を振る家族もいて、まるで人気シンガーのコンサート会場のようです。


卒業生はガウンと角帽姿で入場。
アメリカらしいですね。


スタンド席では、
我が子の晴れ姿に声援を送ろうと家族が大ハッスル!


我が子の名前を書いたプラカードや写真を用意する家族も。


さて壇上に卒業生が揃うと、アメリカ合衆国、グアム、学校の旗がステージ中央に運ばれ、アメリカ合衆国国歌、グアム島歌、校歌の斉唱です。引き続き来賓紹介や、校長、グアム大学職員など様々な人からの祝辞がありました。この辺りは日本の卒業式と同じですね。
でも堅苦しさはなく、スピーチは笑い溢れる楽しいものばかり。2人の先生が、社会に出て行く生徒たちに向けて、大学生活、社会人生活の在り方などについて楽しいジョークを交えながら話して、生徒からたくさんの笑いを誘っていました。


JROTCと呼ばれるアメリカ軍将校予備軍訓練課程へと進む生徒達が
旗を持ってステージに登場。


斉唱の際には胸に手をあてて歌います。
これもアメリカらしいスタイル。


次は、高校生活において学業やスポーツなど様々な分野で優秀な成績を残し、またすばらしい活躍をした生徒トップ10へのトロフィーの授与式です。中には、グアムの水泳の高校生新記録を次々と樹立したという生徒も表彰されていました。


こちらはマラソンやオフロードサイクリングなどで活躍して、
優秀な成績を残したフランシスコ Jr・カマチョくん。
表彰された生徒は、両親とともにステージで記念撮影です。


そしていよいよ約300名の卒業生へ卒業証書が一人ずつに授与されます。名前を呼ばれ卒業証書を受け取ると、みんな思い思いにポーズを決めたり、家族が見守る客席にキスを飛ばしたり、卒業の喜びを全身で表現していましたよ。


卒業証書を受け取ると客席に向かってポーズ。


その姿はスクリーンに大きく映し出されます。


さてこれで式もそろそろ終わりかと思っていたら、卒業生にとってはこれからが本番だったのかもしれません。先に紹介したトップ10のナンバーワンに輝いた首席の生徒による楽しいスピーチあり、生徒たちの歌ありと益々盛り上がっていきます。そしてその歌に合わせて、ステージはミラーボールのようなカラフルな照明に照らし出され、壇上の卒業生は手拍子を打ったり、体でリズムをとったり。また、天井にディスプレーされた風船がステージに降りてきたり...。卒業式なのか、誰かのコンサートなのか、知らなければ何かのエンターテイメントイベントと思うかもしれない状況で、客席も大フィーバー。そして、2時間以上にわたる卒業式はフィナーレを迎えました。


生徒の歌に合わせ、
ステージは卒業式からイベントステージに大変身。


プラカードを振る家族や歓声に包まれて式はフィナーレです。


会場を出ると、早速自分の家族を見つけて、ハグをしてから記念撮影です。


冒頭で紹介したマネーレイは、このように子供たちの首にかけられます。
たくさんのレイを首にかけ、とびきりの笑顔でパチリ。


どの顔も卒業の喜びであふれた素敵な笑顔ばかりでした。両親や家族への感謝の気持ち、卒業の喜び、将来への希望や夢など、ここで感じたものを忘れずに、立派な社会人への第一歩を力強く踏み出してくれることでしょう。皆さん、卒業おめでとうございました!