雨期に入り、パッとしない天気が続くグアム。
私も毎日空を眺めながら「せっかくグアムに来てくれたのに申し訳ないな~」と思ってしまうのですが、
こればかりは私の力ではどうしようもなく...。

そこで私にできることと言えば、雨でもグアムを楽しむ方法を紹介すること!
ということで、「雨の日のおすすめ!室内で楽しむグアムのローカルゲーム」をご紹介します。
そして少しだけグアムの先住民チャモロの歴史についてお話しましょう。

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これは「チョンカ」と呼ばれるボードゲーム。
グアムに古くから伝わり、グアムの人なら年配の人から小さな子供まで知っている
とてもポピュラーなゲームです。?!」という人もいるかもしれません。
そう。これはマレーシア周辺でもよく見かけるゲームです。

グアムや北マリアナ諸島の先住民チャモロは、紀元前1500年頃、
マレーシアやインドネシア、フィリピン辺りの東南アジア諸島から移住してきたと言われています。
長い航海の末、東南アジア諸島から海を渡ったもの、
それはもちろん人間だけではなく、言語、文化の面でも共通点があると言われており、
「チョンカ」もそのように人々と共に海を渡り、グアムに根付いたものなのです。

遊び方はとってもシンプルで簡単。
細長い台に左右に大きな穴が1つずつ、そして2列にいくつかの小さな穴が並び、
その穴に貝などを入れ、向かいあった二人が穴に入れた貝を順にとっていく遊び。
淡々と同じ動作の繰り返しですが、残る貝の数が少なくなると
ちょっと頭を呼び起こさなければ負けてしまう、油断ならないゲーム。
長雨が続いた日は、こんな風にローカルゲームでのんびり過ごしてみるのも楽しいですよ。

チョンカはチャモロビレッジなどで販売されている他、
タモンにあるレストラン「シーグリル」のウェイティングスペースには
グアムに生息するヤモリ「ゲッコー」の形をしたチョンカが置かれています。

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ゲッコーの形をした「シーグリル」のウェイティングスペースにあるチョンカ。
残念ながら灰皿と間違われることが多いそうですが、グアム伝統のゲームです。


<チョンカの遊び方>

2人でチョンカに向かいあって座り、
小さな穴(Village=村)に入っている貝を自分の陣地の大きな穴(Home=家)に移動させ、
最後にHomeにたくさん貝が入っていた方が勝ち!さぁ、やってみましょう!

1. 小さい穴に7個ずつ貝を入れる。
  左側の大きな穴と手前の小さな穴が自分の陣地となる。

2. 自陣の小さな穴を1つ選び、そこに入っている貝をすべて手に取り、その穴の左隣から1個ずつ
     入れていく。
  自陣の大きな穴にも入れるが、相手の大きな穴には入れない。

3. 手に取った最後の貝を入れた穴からすべての貝を取り、同様に左隣から1個ずつ入れていく。
  最後の貝が自陣の大きな穴に入った場合、自陣の好きな穴から始められる。

4. この作業を、手に取った最後の貝が何も入っていない穴に入るまで繰り返す。

5. 手に取った最後の貝が何も入っていない自陣の小さな穴に入ったら
  その1個と向かいの相手の穴に入っている貝すべてを自陣の大きな穴に入れることができる。
  向かいの相手の穴がすでに空の場合は、そのまま続けてプレー。
  相手の陣地に入ったら何も取れない。

6. 次は相手の番。
  同じように自陣の小さな穴の貝を取り、その穴の左隣から1個ずつ入れ、
  最後の貝が空いている穴に入るまで繰り返す。
  後半になると穴に入っている貝の数がバラバラになるので、そこを考えながらゲームを進める。


さて、チョンカを楽しんだ後は、この地に人々と共にチョンカを伝えた古代帆船について
少しお話しましょう。

古代チャモロ人は航海造船術に優れ、星座の位置から方向を読み取る能力に卓越していたと言われています。
彼らの船はプロアと呼ばれる帆船。
長さは26~28フィート(約7.9~8.5メートル)ほど、横幅は60cm足らずという細長い胴体。
これに大きな帆を張り大海原を駆け回ったそうです。
その勇ましい姿を想像してみてください。

1521年グアム島を西洋史に登場させたマゼラン一行も、
無数の小型プロアがものすごいスピードで海上を走る様子を見て驚き、
マゼランは小型プロアを「空飛ぶ快走帆船」と呼び、その周辺の島々を「大三角帆船の島々」と名付けたほど。

その帆船がこちら。

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Image Courtesy of M.A.R.C.


この写真はグアム大学の研究機関、ミクロネシア地区研究センターに展示されていたものですが、
タモン地区ではロイヤルオーキッドグアムホテルのフロントデスク隣にも同じような模型が展示されています。

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ロイヤルオーキッドグアムホテル フロントデスク隣に展示されているプロア。
帆は張っていないが、間近で見ることができる。


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プロアの隣には古代チャモロ人がフィッシングに使ったルアーも展示されている。
世界のどこにも例を見ない、チャモロオリジナルの貴重な漁具。


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お馴染みのラッテストーンの展示も。


グアムの歴史や文化を紹介する絵画、資料などをロビー等に展示しているホテルもありますので、
それらをゆっくり見てまわるのも、雨の日の有意義な過ごし方かもしれませんね。