今年も世界的ヴァイオリニスト高橋アントニオ拓哉さんの「ベネフィット・コンサート」が、6月17日(金)(ディナーコンサート)と18日(土)(ファミリーコンサート)の2日間に渡って、アウトリガー・グアム・リゾートで開催されました。グアム日本人学校の体育館建設をサポートするベネフィット・コンサートは今回が2回目。グアム在住邦人だけでなく多くのローカルのお客さんも集まり、小さな子供連れのご家族を中心にした和やかなコンサートになりました。私は18日(土)に行われたファミリーコンサートに出かけました。

「ジュピター」を弾きながら会場に入ってきた高橋アントニオ拓哉さん。
賑やかだった会場にヴァイオリンの音色が響くと
子供たちも興味深そうに高橋アントニオ拓哉さんの演奏を見つめ始めました。


今回のファミリーコンサートではグアム在住の
音楽家たちとのコラボレーションが実現しました。
グアムシンフォニーのメンバーでもあり、
バイオリン教室も開いているハミルトンさんとの共演。
2挺のヴァイオリンの音色が生み出す音楽の世界に、
多くの人が目を閉じて酔いしれていました。


こちらはグアム在住の女の子が結成したウクレレチーム、「ウクレナ」との共演。
演奏前のウクレレチームの女の子たち3人の自己紹介では、
世界的ヴァイオリニストとの共演に不安と嬉しさが入り交じる複雑な心境を語ってくれました。


ピアニストのマイケル君は、先月グアムのハイスクールを卒業したばかり。
2010年にはニューヨーク・サマー・ミュージック・フェスティバルでも演奏。
これまでさまざまな賞に輝いてきました。
秋からはアメリカの大学で引き続きピアノの勉強に励むそうです。


今回のベネフィット・コンサートの収益は、グアム日本人学校の体育館建設のための資金に当てられます。1973年にグアム補習授業校、1989年にグアム日本人学校が設立されました。月曜日から金曜日まで全日制の生徒たちが、土曜日はグアム補習授業校の子供たちが同じ校舎を使い楽しく学んでいます。スコールの多いグアムでは運動場で体育をしていても雨が降ると授業が中止になってしまいます。また、晴れの日は灼熱の太陽が容赦なく照りつけ、子供たちは体力を消耗してしまいます。そんな環境下にあって、体育館建設は長年の念願となっていました。

ファミリーコンサートでは客席の合間を縫って演奏するシーンも。
ヴァイオリンの音色や指の動きなどで子供たちがヴァイオリンへ
興味を持ってほしいと願う高橋アントニオ拓哉さんならではの演出です。


グアムテリトリアルバンド(小学生から年配者までが在籍する、グアムの公式バンド)も登場。
多くの楽器が一つのメロディーを奏でるオーケストラの迫力を堪能することができました。


世界的に知られる高橋アントニオ拓哉さんは異色のヴァイオリニストと言えます。多くの音楽家が演奏するにあたり、音響や楽器に与える気候の影響に神経を尖らせるのに対し、高橋アントニオ拓哉さんは野外であってもコンサートを開いてきました。その願いはひとつ、「多くの人に楽しんでほしい、音楽に興味を持ってほしい」ということに尽きるのだそうです。今回のローカルアーティストたちとのコラボレーションも高橋アントニオ拓哉さんからのアイデア。「笛やハーモニカなど、どんな楽器との共演も大歓迎です。一緒に音楽を奏でる素晴らしさを味わったり、音楽を聴く楽しさを感じてもらうことの方が大切ですから」と話してくれました。ファミリーコンサートの合間に質問コーナーを設けたり、ヴァイオリニストとして歩むことになったいきさつについてのトークもありました。

オーケストラとの共演で、「美女と野獣」や「世界で一つだけの花」など、
クラシックファンでなくとも楽しめる曲目が演奏されました。


最後には出演者全員で「We Are The World」を演奏してフィナーレ。
心が解きほぐされるような素敵な一夜になりました。


ファミリーコンサート終了後、「皆さんが楽しんでいるのが
とっても感じられる良いコンサートになって嬉しいです」
と語ってくれた高橋アントニオ拓哉さん。


グアムテリトリアルバンドの子供たちにとっても
励みになる貴重な体験となりました。
来年、高橋アントニオ拓哉さんが来る時までに腕を上げて、
再び素敵な演奏を聞かせてくださいね。


<高橋アントニオ拓哉さんプロフィール>

岐阜県土岐市出身。幼少より母からヴァイオリンを習いはじめる。桐朋(とうほう)学園音楽科付属高校入学。在学中、フランスニース音楽院にてディプロマ(演奏家資格)を取得。その後、名門ニューヨークジュリアード音楽院、及びインディアナ大学音楽学部に留学。さらにヨーロッパ各地で研鑽を積む。在学中よりオーケストラと共演するなど各地で演奏活動を意欲的に取り組み、米国アスペンミュージックフェスティバルにて多数の演奏家とも共演。留学中、「The Yomiuri America」紙にて全米に紹介される。帰国後は、斬新なコンサートを次々と企画し、ラジオ、テレビなどにも出演。

高橋アントニオ拓哉さんのオフィシャルサイト。
http://www.d1.dion.ne.jp/~yumming/