今から65年前の1944年、グアムでは多くの南太平洋の島々の類に漏れず、悲惨な戦闘が繰り広げられました。7月から8月にかけての戦闘では犠牲者数は正確には把握されていないものの、日本軍約18,700名、米軍約7,000人、そして平和に暮らしていた多くの島民が尊い血を流しました。
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太平洋地域で命を落とした50万人とも言われる英霊へ祈りを捧げる慰霊碑
グアム北部ジーゴ村にあるグアム平和慰霊公苑は1970年、日本軍の司令部壕のあった地域に日米両国の親善と友好のために設立、合掌をモチーフにしたモニュメントを中心に整備され、苑内の我無山平和寺には周囲で見つかった遺品などが集められています。
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様々な宗教の神が祭られた祭壇の前で、スピーチするアプロン大司教
このグアム平和慰霊公苑で南太平洋戦没者慰霊協会と全国グアム島戦友会による第三回合同慰霊祭が10月15日に行われました。仏式とキリスト教の両方で式典が行われ、グアム島知事夫人や日本国総領事、多くのグアム在住邦人、旅行者も参列しました。まさに、国境、人種、宗教を超えて営まれた心温まる慰霊祭となりました。
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アサン村のガバメントオフィス近くにある太平洋戦争博物館
現在、年間100万人近い日本人がヴァカンスに訪れるグアム。ここは南国のリゾート地であるとともに、先の大戦の傷跡に触れ、学び、考える場所でもあります。タモン湾に広がるホテルの敷地内には多くの大砲が残され、日米両軍の戦時中の遺品の数々を見学できる太平洋戦争博物館、米軍上陸の記念公園など、第二次世界大戦について多くの事を知ることができます。今の繁栄が志半ばで命を落とした多くの若者の犠牲の上に築かれたものであることを一人一人の心の中に刻み、常夏ヴァカンスを楽しんでほしいと思います。そしてグアムという島が恒久平和のシンボルとしていつまでも愛され続けますように。 南太平洋戦没者慰霊協会/グアム平和慰霊公苑 http://www.spmaguam.org/ お問い合わせ: kazu@abcguam.com