クラシックなどの音楽、ミュージカルなどのエンターテイメント、初心者には少し敷居が高い芸術の数々を気軽に楽しめるのがグアムです。なぜなら、グアムでこれらの様々なイベントが行われる際には、初心者を意識したプログラムや雰囲気で開催されるのが常だからです。
様々な企業や団体が主催して、年間を通して数多くの芸術イベントが開かれていますが、その多くが数日といった短期間で行われるため、主にグアム在住者を対象となってしまいがちです。もっとも、グアムへ旅行される方でも、日程さえ合うのならば、地元の人との交流も生まれるこれらのスペシャルイベントに参加できます。今週のWEEKLY GUAMでは、なかなか日本でも参加する機会の少ないと思われるオペラコンサートの紹介をさせていただきます。


ホテル・ニッコー・グアムが会場なので、旅行者にも便利です。
シャトルバスやトロリーでアクセスできます。


福島県出身のオペラ歌手である河野鉄平さんとソロピアニストの宮川久美さんのコラボレーションによる「Invitation to World Music Adventure」が2012年2月24日(金)と26日(日)にホテル・ニッコー・グアムで開催されます。
2月24日(金)は、「ガラディナー」($80/1名)というディナーとドリンク1杯が付いた、いわゆるディナーショーのスタイルで開催されます。ホテル・ニッコー・グアム自慢のお食事を楽しんだ後に、約1時間半、プロのオペラ歌手の歌声を満喫できます。
一方、26日(日)は「ファミリーマチネー」($30大人/$20学生)というお食事の無い手頃なお値段で本格的なオペラ音楽を鑑賞できるスタイルで開催されます。


南フロリダをベースに全米で活躍する
バスオペラ歌手の河野鉄平さん。
グアムでは母校の訪問も予定され、
グアムの子供達にオペラの魅力を語る予定です。


宮川久美さんは、重度障害者福祉施設や
一人暮らしの高齢者の為のホームコンサート、
小学校・中学校・保育所等における
ボランティア演奏会などを積極的に行っています。


オペラ歌手である河野鉄平さんがグアムに移住したのは11才の時、その後、中学卒業までの4年半を過ごしたことが縁で、今回の公演が実現することになりました。南の島でオペラのコンサートというと、少し意外な感じがするかもしれませんが、鉄平さんはこのグアムで過ごした成長期に音楽への思い入れを強め、高校卒業後に音楽大学への進学を果たしたのです。
通常、オペラコンサートの入場には年齢制限などを設けているのですが、出演者の強い希望で、今回は年齢制限を設けていません。小さなお子様連れのご家族にも、オペラを鑑賞したことのない方にも楽しんでいただけるように配慮されています。


1787年にモーツァルトが作曲したオペラ・ブッファの
"ドン・ジョヴァンニ"で主役を演じる河野鉄平さん。


コンサートの演目からも出演者の気配りが見て取れます。19世紀のオペラ最盛期に活躍したプッチーニ、ヴェルディ、グノーなどのオペラアリアに加えて、ショパン、ジルマルジェなどの名作のピアノソロ演奏、さらには日本の叙情歌なども予定されております。
総合芸術と称されるオペラ、その公演の中心にいるのがオペラ歌手です。会場の隅々まで響き渡る声、聞き手を圧倒する感情豊かな声に加え、絶世の王子様のような容姿と肉体を備えたスーパースターがオペラ歌手です。400年以上の歴史を持つ、芸術の集大成であるオペラの楽しみに、あなたも触れてみませんか?


河野さんは、フランスの劇作家カロン・ド・ボーマルシェが
書いた風刺的な戯曲"セビリアの理髪師"では、
伯爵の召使フィオレッロ役を演じました。


ここで、お二人の経歴をご紹介いたしましょう。
河野鉄平さんは、バスオペラ歌手です。オハイオ州、クリーブランド音楽大学から声楽専攻で大学、大学院を卒業。その後、ルーズベルト大学のシカゴ芸術大学からオペラ選考でPerformance Diplomaを取得。Beverley Rinaldi, George Vassos, Richard Stilwell, Tracy Watson, Jennifer Larmoreの各氏に師事した後、2006年にシンガポールで"フィガロの結婚"フィガロ役で海外デビュー。
その他にも、"フィガロの結婚"アルマヴィーヴァ伯爵、"ドン・ジョバンニ"ドン・ジョバンニ、レポレッロ代役、"コジ・ファン・トゥッテ"グリエルモとドン・アルフォンゾ各役、モーザルトの他にも、ビゼー作"カルメン"エスカミーヨ、ドニゼッティ作"愛の妙薬"ベルコーレ、ロッシーニ作"セビリアの理髪師"フィオレッロ、メノッティ作"霊媒師"トビー役等、いずれも好評を博しています。
またオペラ以外でもモーツァルト"レクイエム"、ドヴォルザーク"テ・デウム"のソリスト、その他にもリサイタルでも活躍中です。


2005年に行われたグァテマラ国立交響楽団とのコンサートで
ラフマニノフ のピアノ協奏曲第2番を奏でる宮川久美さん。


ソロピアニストの宮川久美さんは、神奈川県横須賀市出身。東京芸術大学付属音楽高等学校を経て同大学卒業後、20世紀最高のピアニストと言われたウラディーミル・ホロヴィッツの愛弟子ロナルド・トゥリーニ氏のもとで勉強を続けるため、カナダへ渡りました。1992年にはロンドン・ミュージック・スカラシップ・コンペティション2年連続優勝を皮切りに、様々なフェスティバルでの優勝を果たしました。1998年にはイタリアのメラノ国際音楽祭に招待され、2001年には初のソロアルバム「The 21 Etudes」のリリースをはじめ、数々の大舞台でソリストとして出演。2010年に日本に帰国。昨年はメキシコ・デビュー、そして東日本大震災復興支援コンサートをカナダや日本で行いました。
新しいコンサート・シリーズ 横須賀ゆかりのピアニストによるピアノ音楽祭「スカぴあ」、 新しいクラシック音楽入門「開運!クラシック・ミュージック」 等もスタートさせています。


地元新聞パシフィックニュースでも
河野鉄平さんの活躍と来島予定が大きく取り上げられました。


なお、今回オペラコンサートのチケットを購入した方へのスペシャルプレゼントも用意されています。チケットを見せると、2月25日と26日の2日間、ホテル・ニッコー・グアム内で桃李(中国料理)、弁慶(日本料理)、マゼラン(ブッフェレストラン)でのお食事代金が10%割引されます。ランチとディナーが対象です。そして、コンサートの収益の一部は、東日本大震災復興支援基金と河野鉄平さんがグアムで学んだ母校へ寄付されます。


<インフォメーション>

イベント名:インヴィテーション・トゥー・ワールド・ミュージック・アドベンチャー(Invitation to World Music Adventure)
スケジュール:
  ガラディナー         2月24日(金)料金:$80/1人               開場6:00PM
  ファミリーマチネー 2月26日(日)料金:$30大人/$20学生  開場3:30PM
場所:ホテル・ニッコー・グアム
お問い合せ:671-689-5173(河野)またはグアム日本人会671-646-8066