毎年7月21日は、1944年にグアムが日本の統治からアメリカ領へと戻ったことを記念する「グアム解放記念日(リベレーション・デー)」として知られています。日本の占領下にあったグアムに、数千名のアメリカ海兵隊がアサンビーチへ上陸した7月21日、日本軍との衝突により多数の犠牲者を双方にもたらしました。その後、アガットビーチからも援軍の上陸が続き、その数は日本軍の約3倍にあたる、5万5,000人に達したそうです。戦闘は約3週間も続き、最終的に日本軍兵士の戦死者数は19,135人に上りました。この戦いで、アメリカ軍戦死者数は1,862人、グアム島民戦死者数は1,123人、計22,120人の命が失われました。あの日から69年、皆が平和を誓い、若い世代へあの日の記憶を語り継ぐ7月21日が近づいてまいりました。
こちらは、アガット村にある
「太平洋戦争記念館(War In The Pacific National Historical Museum)」。
映像やレーザーマップ、デジタルメディアステーションなども導入し
第二次世界大戦に関する展示を常設しています。
施設内に入ると、大きなグアムの地図が現れます。
7月21日から、日本守備軍「小畑中将軍司令官」の自決までの
約3週間の激戦の様子を、分かりやすく日本語で解説しています。
第二次世界大戦下に大統領を務めた、第32代アメリカ大統領
「フランクリン・デラノ・ルーズベルト(Franklin Delano Roosevelt)」氏の
妻のメッセージが書かれています。
1944年7月21日のグアム島上陸作戦は「W-Day」と呼ばれ
アメリカ軍の戦略上重要なターニングポイントとなったことで知られています。
太平洋戦争国立歴史博物館には、戦前から戦中、戦後の暮らしぶりや
戦争の推移など、様々な記録が展示されています。
あれから69年目を迎える今年も、7月21日には約3万人が参加予定となっている「リベレーション・パレード」が行われます。こちらのパレードは、グアム準州知事が働く「グアム政府オフィス」のあるアデラップ岬から、ハガニア地区の古代チャモロビレッジ周辺までの、約1マイル(約 1.6km)の道路が封鎖され、10:00AM前から2時間半ほど、趣向を凝らしたフロートなどの行進が続きます。パレードには、アメリカ海軍・陸軍・空軍、グアムの企業や学校、様々な村々、NPO団体やグアム政府の機関など、多くの団体が参加します。
アメリカ領土で唯一、日本軍による占領を体験したグアム。
この太平洋の楽園には、チャモロ人とアメリカ人、
そして日本人やアジア各国の人々がともに暮らす
人種を超えた友好的なコミュニティーが築かれています。
こちらはグアム大学のフロート。
グアム大学は、ミクロネシア唯一の総合大学で、3,000人を超える生徒が在籍し
太平洋地域に留まらず、世界で活躍する人材を育成しています。
リべレーション・パレードを盛り上げるための
グッズを販売する人たちも登場。
街頭には、パレードを見物するためにテントを張るローカルたちの姿も。
テント内では、親戚や同僚が集まりパーティーさながらの盛り上がり。
テントの裏では、BBQを楽しむ家族もいるため
パレード会場には、美味しい匂いが立ちこめています。
9:00PMからは、大きな花火がハガニア湾に打ち上げられます。
ビーチフロントのお部屋であれば、タモン地区のホテルからも見えるはずですよ!
皆様も一緒に、平和への願いを込めて、美しい花火を楽しんで下さいね。
(こちらの写真は新年の花火の様子です)
大きな世界のうねりの中で翻弄されてきたグアムですが、その都度、美しい自然たちが人々の心に寄り添ってきたのではないかと思います。そして今、グアムは多くの人種が有効的に暮らす楽園として、アジア各国からのツーリストに愛されています。皆様のグアム旅行が、平和を願い、平和への取り組みへと踏み出す第一歩になれば幸いです。
<インフォメーション>
施設名:太平洋戦争記念館(War in the Pacific National Historical Museum)
営業時間:9:00AM~4:30PM
定休日:サンクスギビング、クリスマス、元旦
住所:T. Stell Newman Visitor Center, Building 1657B, Old Army Reserve Center, Sumay, Guam 96915
ロケーション:マリン・コア・ドライブ、アメリカ軍海軍基地ゲート前
電話番号:671-333-4050
URL:http://www.nps.gov/wapa/t-stell-newman-visitor-center.htm