毎年3月に開催されている「エクステラ・グアム・チャンピオンシップ(XTERRA Guam Championship)」。1.5kmの水泳、35kmのマウンテンバイク、8.2kmのトレイルランの3種目で構成されるオフロードトライアスロンレースで、第10回目となる今年は3月29日(土)に開催されました。11カ国から約130人のプロ・アマチュアアスリートが集結し、白熱したエキサイティングなレースを見せてくれました。

朝日に照らされたグアムの大地を駆け抜ける
35kmのマウンテンバイクレース。
<Photo by Takamitsu Usami>

午前6時30分、朝日が上がったばかりのピティ湾のポートオーソリティービーチには、すでに多くのアスリートが集まっていました。このレースは3種目を1人で行う個人戦の他、種目毎に3人1チームのリレー団体戦もあります。マウンテンバイクを入念にチェックする方、1人で黙々と準備体操をする方、チームメイトと声を掛け合い励まし合っている方々など、それぞれが緊張の面持ちで午前7時のスタートを待っています。

スタート前のマウンテンバイク置き場の様子。
マウンテンバイクのレースは水泳の後。
バイクの他、タオルや靴などの持ち物も入念にチェック。
<Photo by Takamitsu Usami>

朝日に照らされるピティ湾の海に一足早く入り、
ウォーミングアップする人もいます。

午前7時、スタートの時がやってきました。ホラ貝の音色でレースがスタート。まずは1.5kmの遠泳が始まりました。

柔らかな朝の日差しを受けながらレースがスタート。

赤のキャップがプロ、緑のキャップがアマチュアアスリートです。プロコースの中には昨年の本大会を制した南アフリカのダン・ヒューゴ(Dan Hugo)選手、一昨年の女性部門の優勝者でスイス出身のレナタ・ブシャー(Renata Bucher)選手、その他オーストリアやニュージーランド、スロバキアなどから強者が参加。アマチュアとしてグアムからも沢山の方が出場していました。

トップで帰ってきたのは赤いキャップを被ったプロのアスリート。
予想通り昨年の覇者、ダン選手です。

その後も続々とプロ、そしてアマチュアアスリートが続きます。

遠泳を終えた後は、素早く自分のマウンテンバイクへ。プロともなると1秒たりとも無駄にはせずにマウンテンバイクへ向かいます。

1位でゲートをくぐるダン選手。
1.5kmを19分39秒で泳ぎ抜きました!

靴を履き、ヘルメットを被るとマウンテンバイクレースがスタート。仲間や家族の声援に見送られ、アスリートたちが次々と出発していきます。

35kmに及ぶマウンテンバイクレースはポートオーソリティービーチを出発し、ニミッツヒルを上り、地形に富んだマウント・アルトンへ。そしてマネンゴンヒルを駆け下り、スタート地点へ戻ってきます。赤土の大地を走りジャングルを駆け抜け、最高海抜地点は295メートルと、大変過酷なレースです。

日差しが徐々に強くなっていく中グアムの自然が作り出した過酷なコースへ
バイクに股がり次々と出発していくアスリートたち。

地形を生かしたコースは自然との戦い。
一時も気を抜くことのできない真剣勝負が続きます。
<Photo by Takamitsu Usami>

山あり谷あり、続く難所をひとつずつ超えて
スタートしたビーチを目ざします。
<Photo by Takamitsu Usami>

ここでも1番で帰ってきたのはダン選手。1時間23分29秒で戻ってきました!マウンテンバイクを元の位置に戻し、次はジャングルの小川や滝を横切り、海岸線を走る8.2kmのトレイルランへ。

マウンテンバイクでも1番で戻ってきたダン選手。

ダン選手に遅れること20分、
遠泳でも女性トップだったグアム在住の日本人アスリート、
キャレイ・ミエコ(Carey Mieko)選手が戻ってきました。
水分補給をしてトレイルランへ出発です。

トレイルランに出発する選手に、水と大きな声援を送るボランティアたち。
給水ポイントや各種目のゴール地点には、
JFK高校やグアム大学の学生など、沢山のボランティアが活躍しています。

トレイルランにも様々な難所が待ち受けています。
道無き道を進まなければならない鬱蒼と生い茂るジャングルも、そのひとつ。
<Photo by Takamitsu Usami>

レースの最後、ゴール直前では海岸線を走ります。
水しぶきをあげながらゴールに向けって、ラストスパートです。
<Photo by Takamitsu Usami>

最初にゴールをくぐったのは、予想通りダン選手。昨年のタイムより5分ほど遅れたものの、2時間28分40秒でフィニッシュ!総合優勝です。

過酷なレースを制したとは思えない、余裕の足取りでゴールするダン選手。
王者の貫禄です。
<Photo by Takamitsu Usami>

遠泳、マウンテンバイクで女性トップだったキャレイ・ミエコ選手。
残念ながら最後のトレイルランで
一昨年の女性部門覇者、レナタ・ブシャー選手に破れましたが
女性部門で堂々の2位。
総合でも10位という素晴らしい成績を残しました。
<Photo by Takamitsu Usami>

グアムでは様々なスポーツイベントが開催され、各国から一流のプロ選手も数多く来島しています。エクステラ・グアム・チャンピオンシップもそのひとつで、年齢別部門の優勝者にはハワイのマウイ島で開催される「エクステラ・ワールドチャンピオンシップ(XTERRA World Championship)」の出場権が与えられました。日本からもエクステラファンが参加しており、日本人でのトップはプロアスリートとして活躍する小笠原崇裕さん。総合16位でフィニッシュでした。小笠原さんはその後のサイパンでのエクステラ・チャンピオンシップで総合7位入賞を果たされています。

いかにハードなレースかをご覧いただける、今年のレースのハイライトムービーはこちらです。超人的な選手たちの活躍ぶりが素晴らしいです。

4月11日(金)からは「スモーキン・ホイールズ(Smokin' Wheels)」というモータースポーツイベントが開催され、こちらにも世界や日本のトップレーサーが参戦の予定です。グアム旅行の際にはこのようなスポーツイベント情報も是非チェックして、海外で活躍する日本人選手を応援してください!