グアム島南部に位置し、グアムの原風景が今なお残る イナラハン村(Village of Inarajan。古代チャモロ語での表記はInalåhan)。古代チャモロの文化を今に伝える「グアム歴史村 イナラハン・ゲフパゴ公園(Guam Historical Village at Gef Pa'go Park in Historic Inalajan)」や、スペイン統治時代の面影を残す建造物が残る歴史保存地区もあり、グアムの長い歴史を肌で感じることが出来る数少ないエリアです。 そんなイナラハン村で創作活動を続けるのはバティックアーティストのDr.ジュディ・フローレス(Dr.Judy Flores)さん。アーティストであると同時にイナラハン村の歴史遺産保護活動も積極的に押し進めるなど、グアムの芸術、及び文化面で多大な功績を残している女性です。 今回はジュディさんが月に1回開催している「バティック・ワークショップ」に招待していただきました。その模様をお届けします。

バティックアーティストとして、また イナラハン村の歴史遺産保護活動家としても 活躍するDr.ジュディ・フローレスさん。

お天気のいい週末の午後、訪れたのはジュディさんのご自宅。周りを豊かな緑に囲まれた静かな庭に、生徒さんが10人程集まりました。

「バティック(Batik)」とはろうけつ染めのこと。溶かした液体のろうで布などに絵や模様を描き、色を載せていきます。ろうで描かれた部分には着色しないので、色を付けた後には描かれた絵や模様が表れます。

今日の生徒さんは、私のように全くの初心者から、すでに数回参加している方などさまざま。まずはジュディさんが自分の作品を用い、手順を説明してくれました。

こちらはジュディさんの作品。 ジュディさんはチャモロ文化にも造詣が深く、 スカーフにはラッテストーンと古代チャモロ人が使っていた ルソンと呼ばれるすり鉢が描かれています。 手順を説明しながら色の塗り方や微妙な色の表現方法なども教えてくれました。 すでに何回かこのワークショップに参加しているこちらの女性は 色の重ね方などを質問しながら、自分の作品作りのヒントにしていたようです。
早速、創作開始。 1回のワークショップで4枚のシルクスカーフ作りに挑戦です。 右下のホットプレートには温められた液体のろうが入っています。 専用の道具や筆、刷毛を使って、思い思いに布の上に描いていきます。
こちらの女性は庭から葉を取ってきて布の上に置き 葉の形にろうを塗っています。
私は4才の子供と一緒に参加。 大小さまざまなサークルを描き、 筆からポタリと落ちてしまった水玉もアートの1つに。
次は色を塗っていきます。 さまざまな大きさ、太さの筆や刷毛、何色もの絵の具が用意されています。 子供は次々と色を変え、大胆に色を重ねて塗っていきます。
他の方はアートと呼ぶにふさわしい、 細やかな作業を進めています。 こちらはオレンジを背景に、 南国の美しい花々が咲いた素敵なスカーフです。
先ほど、布の上に置かれた葉の形が 涼しげなブルーに浮かび上がっています。 お母さんと一緒に小学生の男の子も参加していましたよ。 皆さん、細やかな絵を描いたり、私たちのように丸や波線、 幾何学模様にしたり思い思いに自分の作品を仕上げていました。
さて、私たちの1枚目の仕上がりはこちら。 黄色やブルー、赤にオレンジ、ピンク... 塗っている時はどうなることかと思いましたが なかなかアーティスティックな1枚に完成。 ろうで描いたサークルもきれいに表れています。
緑に囲まれた庭は風もよく通り、とっても心地いい空間。 ここで約3時間かけて4枚のスカーフを作りました。 初め「3時間は長いかな」と思いましたが いろいろ考えながら描いたり配色していると、 あっという間に時間が経ってしまいました。
色を塗ったものはここで風に吹かれながら乾かします。 色とりどりのスカーフがヒラヒラと風に舞う様子はとっても涼しげ。
作品を持ち寄り、ジュディさんを囲んで品評会。 みんなで作りながら話しをしたり、アイデアを出し合ったり 私は初めて参加しましたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。
最後はお気に入りの1枚を持って 参加した皆さんと一緒に記念撮影です。

このワークショップは月に1回開催されています。もしスケジュールがあえばグアム旅行の記念に参加してみてはいかがでしょう。ワークショップは英語のみですが、ろうけつ染め自体の手順は簡単ですし、皆さんはとても親切にしてくれるので心配は無用。ローカルの人たちとの交流などもとても素敵な思い出になると思いますよ。

<アーティスト・Dr.ジュディ・フローレスさんについて、また彼女の活動についてはこちら> http://weekly.visitguam.jp/2010/05/post-80.html http://weekly.visitguam.jp/2011/08/dfs-3.html

<「バティック・ワークショップ」情報>

■開催日時:2014年11月22日(土)、2015年1月17日(土)、2月21日(土)午後1時〜4時 ※12月の開催はありません。2015年3月以降の日程は未定です。 ■料  金:$55(作品4枚分の材料費込み。作品はお持ち帰りいただけます) ■申  込:ウェブサイト(http://guambatikgallery.com)または「フレームド.エトセトラ・ギャラリー(Framed, Etc. Gallery)」(671-477-7873)まで