国際交流基金主催の海外巡回展「パラレル・ニッポン(PARALLEL NIPPON)」がグアム大学イスラ・アート美術館(ISLA CENTER FOR THE ARTS)にて2015年2月12日(木)~3月26日(木)まで開催されています。1996年~2006年までに竣工された日本の建築デザイナーによる建築物がパネルと立体模型で展示されています。その十年間、グアムで暮らしている私にとっては、帰国の度に変わりゆく大型施設の佇まいに驚かされたことを思い出します。駅、美術館、市民会館、図書館などの新しい建築物に触れると、デザインに込められた意味をくみ取ろうとあれこれ思いめぐらせていたものでした。建築はいつの時代もその国や地域の文化を背景に時代の息吹を象徴します。ライフスタイルの変化や時代が求める価値観も建築デザインや空間から伺い知ることができます。パラレル・ニッポンは、そう遠くない一昔前を振り返りながら日本が歩んだ変動の10年を建築物とともに振り返る展示会です。日本では東京のみでの開催でしたので、見逃された方も多いのではないでしょうか?10年かけて世界を巡回中の貴重な展示が今まさにグアムで鑑賞できるのです。是非、ドライブがてらお出かけください。
90年代前半は80年代後半の価値観とのギャップに違和感を感じながら
過ごしていたように思います。90年代後半になると携帯電話が普及し、
インターネットが暮らしを変えていきました。
展示される建築写真は、日本人建築デザイナーが日本で建設したものだけではなく、
外国人の建築デザイナーが日本で建築したものや、
日本人の建築デザイナーが外国で建築したものも含まれています。
デザインを担当したのは原広司氏、1997年に完成。
中央コンコースの4000枚のガラスは内部からは開放感を与え、
外部には京都の町並みが映し出されます。
自然光に映し出される桜の花びら模様、
時間の経過とともに色や位置が変化するのでしょう。
市場経済至上主義に終止符を打ち、
環境問題が取り沙汰された時代でもありました。
建築物にも独創的な外観デザインよりも、
いかに自然光を取り入れたエコロジーで快適な空間を
作り出すかにシフトした転換期でもあったように思います。
建築デザイナーの腕が試されます。
長い歴史がある伝統的な日本建築の歴史を伝える姿をそのままに
時代に即した機能性と利便性を融合させた
建築デザイナーの思いを伺い知ることができます。
国際港ヨコハマにふさわしいデザインをというリクエストに、
世界41カ国、660作品の応募があり、コンペで選ばれたのが
イギリス在住の建築デザイナー、アレハンドロ・ザエラ・ポロと
ファッシド・ムサヴィ両氏の作品でした。
屋上フロアには天然芝とウッドデッキが伸び、
人々は船の甲板をイメージした遊歩道を散歩することができます。
高知県産ヒノキを曲げ、加工した美しいアーチの重ね梁。
美術館の回りには 全長は670メートルのブナ・ヒメシャラが群生する
富士箱根伊豆国立公園内の遊歩道が広がります。
外観の斬新さや奇抜さがもてはやされた時代とは異なり、建築物の利用目的や環境との調和に重きが置かれた作品がこの時代の主流です。「建築」という分野と日本の社会的・文化的背景に照らし合わせて、そしてみなさんそれぞれのあの時代と照らし合わせてご覧ください。安藤忠雄、磯崎新、伊東豊雄、黒川紀章など日本を代表する建築デザイナーの作品も紹介されていますよ。
グアム大学キャンパス内の
ディーンズサークルと呼ばれるエリアにあります。
つい見逃してしまいそうな小さな建物ですが、
このサインを目印に訪れてみてください。
<インフォメーション>
イベント名:海外巡回展「パラレル・ニッポン(Parallel Nippon)」
開催期間:2015年2月12日(木)~3月26日(木) ※日曜日、祝日を除く
開催時間: 月曜日~金曜日 10:00AM~5:00PM / 土曜日 10:00AM~2:00PM
入場料:無料
会場:グアム大学イスラ・アート美術館 (ISLA CENTER FOR THE ARTS)
お問い合せ:671-735-2965/6(グアム大学イスラ・アート美術館)
グアム大学のホームページはこちらからhttp://www.uog.edu/default.aspx