皆さまは子供の頃、日本や自分の住んでいる地域の歴史や文化をどのように学びましたか。グアムには歴史的スポットを題材にした「エクスプロア・ラーン&カラー・グアム(EXPLORE, LEARN & COLOR GUAM)」という塗り絵があります。絵画教室を開催していたある夫婦がハガニア地区のスペイン広場を訪れ、子供にチョコレートハウスについての歴史を話していた時、子供がさまざまな疑問や質問を口にしたことから子供に分かりやすく説明できる本を作れないかと考え、今年3月に誕生したものです。制作にはグアムの歴史やチャモロ語の研究者の協力を得て、英語とチャモロ語の2カ国語で歴史的スポットの説明も付いています。5月からは塗り絵を元に歴史的スポットを訪れる カラー・グアム・ヒストリカルツアー(COLOR GUAM HISTORICAL TOUR)も開始。今回2回目となるツアーに参加させていただきました。夏休みまっただ中の子供たちがグアムの歴史を、体験を通して学びました。

ツアーではハガニア地区にあるサン・アントニオ橋を訪れ、
橋の歴史や人魚のシレナの伝説を学びました。

2回目となったカラー・グアム・ヒストリカルツアーは午前10時ハガニア地区にあるチャモロビレッジに集合。集まった子供たちはみんな、エクスプロア・ラーン&カラー・グアムの塗り絵を持っています。今回は塗り絵に登場するチャモロビレッジとサン・アントニオ橋(San Antonio Bridge)を見学することになっています。塗り絵を制作し、ツアーを企画したタリア・ゲレロ・ストロメイヤー(Taliea Guerrero Strohmeyer)さんによるツアー内容の簡単な説明が終わると、まずはチャモロビレッジ散策に出発。

こちらがツアー前にオリエンテーションを行うタリアさん、
手にしているのが塗り絵のエクスプロア・ラーン&カラー・グアムです。
エクスプロア・ラーン&カラー・グアムにはこの表紙にあるようなグアムの歴史スポットが満載です。
そして英語とチャモロ語の2カ国語でその説明も書かれています。
低年齢になるほどチャモロ語での会話や読み書きのできる人が少なくなっていますが、
おじいちゃんおばあちゃんに読んでもらったり
塗り絵をしながら視覚で覚えることによってチャモロ語に親しんでいけそうです。
チャモロビレッジ内では開いているお店をのぞいたり
タリアさんがチャモロビレッジの歴史を話してくれました。
別の場所にあったファーマーズマーケットが1976年の台風で壊滅状態になり
1978年、現在の場所にグアムメイドの商品を扱うパブリックマーケットがオープン。
1990~1991年にかけて、商品だけでなくグアムの文化も体験できるスポットとして
チャモロビレッジと改名、そして現在に至ります。
先週のウィークリーグアムにも書きましたが、
来年グアムでは、4年に一度開催される太平洋全エリア最大のカルチュラルイベント
フェスティバル オブ パシフィックアーツ(FESTIVAL OF PACIFIC ARTS ON GUAM)が開催されます。
チャモロビレッジやその周辺施設もイベント会場の1つとなる予定です。
チャモロビレッジの写真でよく登場するこちらの塔は
塗り絵にも登場しています。
絵と見比べながら歩きます。

次はマリン・コア・ドライブ(Marine Corps Drive)を渡り、サン・アントニオ橋を訪れました。この美しいアーチ型の橋はスペイン統治時代(1565~1898年)の第28代スペイン提督マニュエル・ムロの時代に建設され、当時の貿易の主要場所であった南部とハガニアを結ぶ主要道路へ繋がる大切な橋でした。第二次世界大戦で破壊された後、現在の場所に復元されています。

子供たちは塗り絵のこの橋のページを開き、
橋の下を歩いたり、珊瑚岩で出来た橋を触ってみたり。
橋の上も歩けるようになっています。
私は撮影などで何度も訪れたことがありますが、
実はこんな風に橋の下や上を歩いたのは初めて。
子供たちは元気に走り回ります。
橋の上に座って塗り絵を見ながらタリアさんの話しを聞く子供たち。
スペイン統治の話し、戦争の話し、ちゃんと理解できたかな?
最後は橋の袂にある、人魚シレナの像。
海で遊ぶのが大好きな女の子シレナがある日、お母さんの言いつけを守らず海で遊んでいると
お母さんが怒って「シレナは魚になってしまえばいい」と叫びます。
おばあさんは慌ててその言葉を取り消そうとします。
そうして半分は魚、半分は人間の人魚になってしまったのです。
グアムに伝わるこの伝説はさすがに子供たちも興味津々。

チャモロビレッジに戻ると、今見てきたものの塗り絵に色を塗っていきます。訪れた場所やタリアさんが話してくれたことをここでもう一度思い出し自分で色を付けていくことによって、その記憶は子供たちにしっかり残ってくれることでしょう。

橋は何色だったかな?周りの景色は?
子供たちはみんな塗り絵が大好きです。
完成した子供たちの塗り絵。
みんな上手に塗れました。

新しいものに興味を持ち、自分たちの地域の歴史や文化を知る大切さを理解するのが難しい子供たち。しかしグアムには暮らしの身近な場所に歴史的なスポットが点在しています。教科書で勉強する事も大切ですが、自分で足を運び、見て触って、いろいろなことを感じることも大切な時間です。

ツアーはどなたでも参加できますが、5才ぐらいから小学生がおすすめです。
1回のツアーで訪れる場所は1~2箇所。
1時間ほど歩いて、さらに1時間ほど塗り絵の時間です。

次回のツアーは7月。ラッテストーン公園(Latte Park)とアプガン砦(Fort Apugan)を訪れる予定です。下記のホームページでイベント情報を見ることができますので、ご興味のある方はご確認ください。ツアーは無料で行われ、事前予約は不要です。塗り絵エクスプロア・ラーン&カラー・グアムは下記にて$15で販売されています。ツアー参加の際でも購入の必要はなく、ツアー後、塗り絵を持っていない子供にはツアーで訪れたページが配布されます。

<塗り絵 エクスプロア・ラーン&カラー・グアム の販売場所>
ペイレス・スーパーマーケット
マイクロネシアモール店
営業時間:24時間営業
電話番号:671-637-7233

オカ店
営業時間:24時間営業
電話番号:671-646-9301

アガニアショッピングセンター店
営業時間:24時間営業
電話番号:671-477-7006

マンギラオ店
営業時間:6:00AM~12:00AM
電話番号:671-735-0651

シナハニャ店
営業時間:6:00AM~12:00AM
電話番号:671-477-7155

グマ・タサ コーヒーショップ(Guma' Tasa Coffee Shop)
ロケーション:マンギラオ地区KFC裏側
営業時間:7:00AM~10:00PM、土曜10:00AM〜10:00PM
電話番号:671-969-1190

A&Lクラフト(A&L Crafts)
ロケーション:チャモロビレッジ内
営業時間: 10:00AM~6:00PM、日曜10:00AM~3:00PM
電話番号:671-472-5775

<カラー・グアム インフォメーション>
お問い合せ:671-687-1075、またはtaliea@colorguam.com