100メートル以上ものトンネル型の水槽が人気の水族館、アンダーウォーターワールド(UnderWater World)。グアムの海を再現した水槽にはサメやエイなどの大物からカラフルなトロピカルフィッシュまで約2,000匹もの海洋生物が生息し、その様子をさまざまな角度から観察することができます。
現在、アンダーウォーターワールド内では『マリアナズ・トレンチ展(Marianas Trench Exhibit)』を開催中。世界で一番深い海溝、マリアナ海溝やそこに生息する生物について詳しくご紹介しています。とても興味深い深海の世界、ぜひ足をお運びください。



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『マリアナ・トレンチ・エキシビジョン』で
神秘の深海世界を体験!



『マリアナズ・トレンチ展』が開催されているのはアンダーウォーターワールド内の2階。トンネル型の水槽を抜けてエスカレーターで2階に上がり、珊瑚の海や回遊魚、美しいクラゲなどの水槽の向こうに『マリアナズ・トレンチ展』の入り口が見えてきます。



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頭上を泳ぐ魚のお腹を観察できる
トンネル型水族館。



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さまざまな海洋生物を眺めていると
癒されますね。



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海洋環境や海洋生物別に展示された2階。
こちらは色とりどりの珊瑚が美しい南洋の海を再現。



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そして今回のお目当ての
『マリアナズ・トレンチ展』
入り口に到着!



マリアナ海溝は太平洋に位置する三日月状の海溝で、世界最深部と言われる「チャレンジャー海淵」を有する世界で一番深い海溝です。実はグアム島はこのマリアナ海溝の北西にあり、「チャレンジャー海淵」に最も接近している島として、マリアナ海溝の深海調査の際には本部が設置されます。



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グアム島はマリアナ海溝のすぐ近くに位置し、
未だ多くの謎に包まれる深海の調査に大きく関わっています。



昨年2016年夏に行われた数か月にわたる調査ではアンダーウォーターワールド内にコマンドセンターを設置。深海の様子をライブ映像で見ることができたり、船上で調査に当たる調査員や科学者と通信交流するなど、グアムの子供たちの学習の場としても利用されました。

現在開催されている『マリアナズ・トレンチ展』では海溝の深さやそこに生息する生物、過去の調査の歴史や深海に訪れている異変など、幅広く紹介されています。



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これは最深部「チャレンジャー海淵」に
世界で一番高いエベレスト山や富士山を置いた場合の高さ(深さ)比較。
イラストの一番高い山がエベレスト山ですが、
私たちが生活する陸地(イラスト上の白い部分)までは
まだまだ遠いですね。
ちなみに富士山は右から3番目の山です。



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さていよいよ深海体験。
薄暗い洞窟のような通路では
深海に住む生物を観ることができます。



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ぜひ皆様の目で不思議な深海生物を
ご覧いただきたいのですが、
ほんの少しだけご紹介。
こちらは深海8,000メートルで発見されたクモヒトデ。
ヒトデのように5本の腕を持っていますが、
1本1本は細くて長く、蛇のようにそれぞれの腕を
起伏させて移動するそうです。
その他、エビ、カニ、ナマコ、ウニ、そしてカレイなど、
興味深い生物がいっぱいです!



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ビデオコーナーでは刻々と変化する
海底の様子や深海生物を紹介。
日本語音声もあります。



さてこちらは先にご案内したコマンドセンター。現在は海洋調査船「ファルコ(Falkor)」や遠隔操作型無人潜水機「サバスチャン(Subastian)」がマリアナ諸島近くの深海を探索する際のライブ映像や、最近の調査で発見されたグアム周辺に生息する珍しい生物を放映しています。



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ぜひ椅子に座って珍しい海底の様子や
生物を観察してくださいね。



過去のマリアナ海溝の調査の歴史では潜水機の紹介や調査に関わった人物などを写真で紹介。まだ人類が見たことのない海の底を一目見ようと多くの人々が尽力し、少しずつ解明されつつある深海世界。とても興味深い海の歴史です。



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年表形式で調査を紹介。
深海への関心は数百年前にはすでに始まっていました。



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こちらは1960年、初の有人調査が行われた時の模様。
上の写真は海底約11,521メートルに到達し、
成功を祝って潜水機乗組員が祖国の旗を手にしたシーン。
下は潜水機が海底に着いた知らせを受け、牽引船で喜ぶ人々です。



とても興味深い内容ばかりですが、残念な報告もありました。水深約5,000メートルの地点でスパム缶が落ちているのが確認され、10,000メートル付近で捕獲された小さな甲殻類は、アジア圏の最も汚染された地域の川に住むカニの約50倍もの有害化学物質で汚染されていることも確認されています。人類の手が及ばないと思われていた深海世界で、私たち人間による汚染という形で甚大な被害を及ぼしていることがわかっています。生命が満ち溢れる美しい海ですが、このような事実に目を背けるわけにはいきません。


『マリアナズ・トレンチ展』は私たちにとても興味深い深海世界を見せてくれます。海好きの方ではなくてもまだまだ知られざる未知の世界に興味をかき立てられます。が、同時に現在海で起こっているさまざまな異変について考えさせられる内容でもあります。

美しい海を求めてグアムに来られた皆様も、ぜひこの企画展でこのマリアナ海溝に関心を持っていただければと思います。



<インフォメーション>

施設名:アンダーウォーターワールド / オーシャンサファリ(Under Water World / Ocean Safari)
営業時間:10:00AM~6:30PM(入場は6:00PMまで)
定休日:なし
料金:大人$23、子供(3~11才)$12
住所:1245 San Vitores Road, Tumon, Guam
ロケーション:タモン地区
電話番号:671-649-6637


※記事内の料金は2017年8月25日現在のものです。