第3回『ランタンフローティングセレモニー(Lantern Floating Ceremony)』がガバナージョセフフローレスメモリアルパーク(Governor Joseph Flores Memorial Park / イパオビーチパーク, Ypao Beach Park)で開催されました。日本文化のひとつでもある「灯籠流し」をグアムでも行い、戦争や災害、病気や怪我などで亡くなった愛する家族や友達などを弔う式典です。参加者それぞれが平和を願いました。



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「平和、愛、喜び」を掲げ
セレモニーが開催されました。



グアムに移住した日本人の子供や孫にあたる日系2世や3世を中心に組織化されたグアム日系人会主催のこのイベントでは、両国の文化を象徴した灯篭を使用することにこだわりがあります。日本で古くから伝わる和紙をイメージした薄い素材を使うことと、先住民チャモロ時代から使用されている船「プロア(Proa)」を型に土台を使うことにより、両国の絆の強さ、人との繋がりの大切さを表しています。



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プロア型の灯篭がずらりと並びます。



ランタンフローティングセレモニーは年齢や人種を問わず誰でも参加することができます。受付で名前を登録すると係りの人が手順を説明してくださいます。使用するランタン(灯篭)はグアム流にアレンジされていてとても新鮮なのに、なぜか親近感が湧きます。
まずはじめに、用意された紙にメッセージを書きます。用意されたテーブルには色とりどりのペンが並びます。



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亡くなった愛する人を胸に
真剣にメッセージを書き込みます。
 


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文章で思いを書き留める人もいれば、
絵で表現する子もいました。



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書き上げた紙を土台に取り付けます。



ボランティアをしているのは地元の高校生やボーイズスカウト。式に使う400隻以上の土台の準備にも携わっています。長い間受け継がれてきた日系人のアイデンティティーが式典を通して次の世代に伝わっていくようでした。



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グアム日系人会の皆様や来賓による
挨拶、祈祷、賛美などが行われました。
愛する人を思い出して涙を流す人も。



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レイ・テノリオグアム準州副知事によって
大きなラッテストーンに火が灯されたのを合図に、
参加者それぞれがランタンを流します。



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透明度の高い海に流れ出すランタン。
とても神秘的。



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夜の海に浮かぶランタン。
厳粛な思いに包まれました。



火は古代から聖なる神の存在を象徴するだけでなく、永遠の誓いや平和の意味があります。グアムの海をゆっくりと流れ揺れるランタンはとても幻想的で、 この世界が永遠に平和で愛の溢れる時代になりますようにと心から祈る機会を与えられた良い時間となりました。ランタンフローティングセレモニーで使用されたランタンは式典後、全て回収されます。機会があれば是非、自然とのハーモニーを大切にしてきたグアムの人らしいセレモニーに参加してみてください。



<インフォメーション>
グアム日系人会(GUAM NIKKEI ASSOCIATION)