島内ドライブに出かけたり、タモン地区や観光スポットを歩いたりしていると目に付く巨大壁画。グアムの豊かな自然や人々の日常を描いたもの、ココバード(グアム個有の鳥。別名グアムクイナ)やガダオケーブに残された古代チャモロの象形文字などグアムを象徴するモチーフを描いたもの、グアム島旗のデザインとなっている紋章など、さまざまな壁画を島のあちらこちらで見ることができます。今回はグアム最新のアートイベント『2018グアム・スプレイケーション(2018 Guam Spraycation)』で誕生した、新たな壁画をご紹介します。
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6月初旬、タモン地区にも新しい壁画が完成しています!
落書きで汚された街や村を蘇らせようと、10年ほど前から政府機関をはじめ、各団体・企業などがアートプロジェクトに乗り出し、アートを通してさまざまなメッセージを投げかけてきました。
現在、多くのツーリストの方々がカメラを向けるバス停のかわいいイラストも、元々は「アイ・ラブ・グアム(I LOVE GUAM)」アイテムを手がけるアーチウェイ(Archway)という会社が始めたものです。
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グアム政府観光局が2010年に行った『村の壁画』プロジェクトの様子。
<2010年の『壁画プロジェクト』や『バス停プロジェクト』の記事はこちら>
グアムを代表するアートイベント『グアム アート エキシビット(Guam Art Exhibit、通称ギャックス/GAX)』も昨年ちょうど10回目を迎え、島外からアーティストを招き、壁画制作をする『パウ!ワウ!グアム(POW!WOW!GUAM)』も同時開催されました。その時に描かれた作品は今も、1号線など幹線道路沿いなどで見ることができます。
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昨年の『パウ!ワウ!グアム』で壁画を手がけるアーティスト。
こちらはグアムの首都、ハガニア地区のチャモロビレッジ向かいの
建物に描かれています。
<昨年の『グアム アート エキシビット』『パウ!ワウ!グアム』の記事はこちら>
その他にも多くの団体や企業、そしてアーティストの協力により、素晴らしい壁画を島の各所で見ることができます。グアムの自然や歴史、チャモロ文化に関するものも数多いので、ドライブや散歩を楽しみながら、同時にこれらのアートも見ていただければと思います。
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2016年にハガニア地区のレストラン、
マーメイド・タバーン&グリル(Mermaid Tavern & Grill)の
建物の側面に描かれた巨大ココバード(別名グアムクイナ)。
5月28日(月)~6月2日(土)にかけて開催された『2018グアム・スプレイケーション』では、さらに新たな壁画が誕生しました。グアムで活躍するローカルアーティストに加え島外からもアーティストが訪れ、計16名が参加。その一部をご紹介します。
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ザ・プラザ ショッピングセンターのサンドキャッスル側の壁面には
ロサンゼルスを中心に全米で活躍するアーティスト、
トリスタン・イートン(Tristan Eaton)氏の作品が登場。
2014年に初めてグアムで壁画を手がけ、以来大のグアムファンとなったトリスタン氏。今回のイベントはトリスタン氏が「40歳の誕生日の記念作品は、ぜひグアムで手がけたい」と、アーティスト仲間と一緒にグアムにやってきて実現しました。今回で3回目となるグアムでの壁画制作。初回に描いたザ・プラザ ショッピングセンターの壁画を新しく描き変えました。
<2014年のトリスタン氏の創作の様子はこちら>
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ロサンゼルスを起点に活躍するドュルー・メリット(Drew Merritt)氏による
美しい花を髪に飾った少女。
ジョン・F ケネディ高校(John F. Kennedy High Scholl)で見ることができます。
隣には2017年の『パウ!ワウ!グアム』で
トリスタン氏が描いた作品がありますので、合わせてご覧ください。
ジョン・F ケネディ高校内には他に3点、新たな壁画が登場しています。
タモン地区ではトリスタン氏以外の作品も見ることができます。まずはパシフィックスターリゾート&スパ(Pacific Star Resort & Spa)内の4点です。
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ロビーフロント前のバルコニーの壁に描かれています。
グアムで活躍するアーティスト、
ジョシュ "バリガダ" アガーストランド
(Josh "Barrigada" Agerstrand)氏の作品です。
彼はアーティストとして活動する一方で、
『グアム アート エキシビット(GAX)』のディレクターを務めるなど
グアムのアート界の活性化にも大きな一翼を担っています。
今後はジーゴ村の壁画制作を予定されているそうです。
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同じバルコニーの海側には
 ロサンゼルスをメインに活動するネイサン・スミス(Nathan Smith)氏の作品。
大きなスターフィッシュ(ヒトデ)と
イナラハン村(Village of Inarajan)のガダオケーブに残された
古代チャモロの象形文字。
島外のアーティストがグアムの自然や文化に敬意を示し描いてくれるのは
ローカルにとってはとても嬉しいことです。
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古代文字や言語に深く関心を持ち、追求するアーティスト、
クリプティック(Cryptik)氏のこちら作品は、
プール近くの壁に描かれています。
文字や言葉を神から与えられた神聖なものとし、
カリグラフィーを取り入れたスタイルを得意としています。
最後にご紹介するのはパシフィック・アイランド・クラブ・グアム(Pacific Islands Club Guam)のウォーターパーク内、ロッカー近くの壁画です。
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こちら、アメリカンコミックで人気の「キャプテンアメリカ」、
ではなく、「キャプテングアム」。
ニューヨークを中心に活躍するアーティスト、
ステファン・ブリス(Stephen Bliss)氏の作品です。
現代版チャモロスーパーヒーローは
マスクに大きく「G」を描いたマスクをかぶり、
グアム島旗の紋章が描かれた盾を持ち、島を守ります。
子供たちで賑わうウォーターパーク、盛り上がりそうですね!
グアム各所で見ることができるさまざまな壁画。見ているだけでも楽しいですし、壁画のモチーフやテーマとなったものの情景や作り手の思いや想像するのもいいかもしれません。ぜひドライブや散歩をしながら、アーティストによる素晴らしい作品にも目を向けてみてくださいね。