グアムの3月はチャモロマンス(CHamoru Month)に制定されています。チャモロマンスとはグアムの長い歴史の中で培われ、受け継がれてきた文化を再確認し、後世に伝え残そうと、さまざまな活動が行われる1か月です。

数千年前から始まったマリアナ諸島の古代社会が、ポルトガルの冒険家フェルナンド・マゼラン(Ferdinand Magellan)一行によるグアムへの上陸で大きく変わり、人々の暮らしは西洋化していくのですが、チャモロマンスが3月に制定された理由は、その上陸日が1521年3月6日と言われているため。失われつつある古代チャモロ文化を復活させ、数百年前の西洋化したグアムのカルチャーを次の世代へ伝えていくことは、現代のグアムに課せられた大きな課題です。

meschamoru02

さまざまなイベントが開催される中、先週末にヤシの葉編みを体験してきました。

古代のチャモロ社会では、さまざまな植物の葉や樹皮を使って生活道具が作られてきました。このイベントではバスケット作りに挑戦です。グアムに住んでいるからといって、誰もがヤシの葉編みができるわけではありません。参加したのはほとんどがローカルの人でしたが、インストラクターの説明を聞き、一度の説明では理解できず、何度も聞き返しながら作っていきます。

meschamoru03

簡単そうに見えるのですが、コツを掴むまでは皆さん一苦労。グアムに住んでいてもなかなか体験する機会はなく、何度もインストラクターに聞きに行ったり、編んだものをほどいてもう一度やり直したり、それでも皆さんとても楽しそうでした。

meschamoru04

完成したバスケットがこちら。ドリンクホルダーにちょうどいいサイズ。一番上の写真のように、少しアレンジして持ち手を作り、花を飾っても素敵です。

 

meschamoru05

次に挑戦したのはこちらのオーブンを使ったパン作り。

このオーブンはチャモロ語でホッヌ(Hotnu)と呼ばれる石窯オーブン。16世紀スペイン統治時代になると、チャモロの人々は小麦粉などを使った焼き菓子を食べるようになります。その時に使われたのが屋外に石を積み上げて作ったこのオーブンです。別名スパニッシュオーブンとも呼ばれています。

meschamoru06

生地を作り、みんなで成形していきます。今回作るのはココナッツブレッドとシナモンロールの2種類です。

meschamoru08

屋外なので一次発酵も二次発酵も10〜15分ほどで終了。いよいよ、木炭によって十分に熱せられたオーブンへ。

meschamoru09

焼き時間も5〜10分ととても短く、あっという間に焼きあがり。熱々のうちにバターやアイシングをたっぷり塗って完成です。

出来上がったものをみんなでいただきましたが、とてもシンプルで素朴な味わい。ふわふわだけど、少しもっちりもしていてとてもおいしかったです。

 

このように3月はグアムのさまざまなカルチャーを楽しめるイベントがいっぱいです。パン作りでは、日本の入国規制が緩和されたためか観光客も参加していました。

ヤシの葉編みは3月12日(土)、19日(土)、26日(土)午前11時から。
パン作りは3月13日(日)、19日(土)、27日(日)午前11時から。


共に、ヒルトン・グアム・リゾート&スパ(Hilton Guam Resort & Spa)隣りのヒルトンサガン・コツゥラン・チャモロ・カルチャーセンター・グアム(Sagan Kotturan Chamoru Cultural Center Guam)にて開催されています。参加費は寄付という形で各$10です。