2026年1月10日からグアム博物館で開催されているアート展 「Ta Nå’i Ånimu II: Sacred Waters(タ・ナイ・アニムⅡ:聖なる水)」は人々と大地、そして水との深い結びつきをテーマにした力強い展示で、前回の Ta Nå’i Ånimu( タ・ナイ・アニム)展をさらに深め、水が記憶を抱き命を支え文化や環境を守るための歩みに寄り添う存在であることを先住民の視点から表現しています。展示にはグアム、サイパン、テニアン、ロタから35名以上のアーティストが参加し、この地域を形づくってきた水との歴史や生活のつながりを表現した作品が並びます。グアムミュージアム前の2体の銅像がイベント仕様に装飾され、会場の雰囲気を一層盛り上げていました。

会場内はすでに多くの来場者で賑わっています。作品を通して水と私たちの深いつながり、そして水が抱える問題について考えさせられる展示となっており、ローカルアーティストの才能を紹介する場であるだけでなく、環境の脅威にさらされる島への抗議と祈りでもあるそうです。

鮮やかな色彩が目を引くこの作品は1990年代に手染めの布で作られたそうです。作者や制作の背景はほとんど分かっていませんが、描かれたモチーフからグアムに伝わるさまざまな伝説を表現していることがうかがえます。右から人魚になった少女の物語として知られるシレナの伝説や、恋人岬の愛の物語、パンの実やヤシの木にまつわる自然と共に生きる知恵の話など島の文化を象徴するストーリーが含まれているようです。作品の色や形からも水とのつながりを大切にしてきた島の文化が静かに伝わってきますね。

グアムならではの“水の瞬間”を映し出したこの作品には、ハガニアのサーフスポットや南部で人気のイナラハン天然プール、そして虹や寄せる波をとらえた写真が並びます。水が生み出す景色は一瞬ごとに姿を変え、その儚さと美しさが訪れる人の心を強く惹きつけます。

こちらは前回も好評だった子ども向けワークショップコーナー。五感を使って楽しみながら学べる空間となっており、触れて、見て、感じて楽しめる工夫が詰まっていて環境への思いや未来の子どもたちへの願いを込めてリサイクル素材や再利用品を活かして作られています。ペットボトルや空き缶、再生紙の卵パック、さらに通販の梱包材として使われるエアキャップなど身近なリサイクル素材が天井から吊り下げられ、まるで海中にいるような空間が演出されています。

子どもが興味深そうに見つめていたのはシリアルの箱や洗剤のボトル、ストローなど、普段よく使う身近なものばかりで表現したエリア。ふだんは捨ててしまうような素材が、ここではアートとして生まれ変わり子どもたちに新しい発見を与えているようでした。小さな頃から環境に触れ身の回りのものがどう再利用できるのかを知ることは、未来を考えるうえで大切な学びです。

マネキンが身にまとっているのは長い髪を編んで作られた網やヤシの葉のスカート、貝で作られたネックレスなど自然の素材をそのまま活かした装いです。物が少なかった時代、人々は身の回りにあるものを工夫しながら暮らしを支えてきました。これらのアイテムからは自然と寄り添いながら生活してきた島の人々の知恵や美しさへの感性が伝わってきます。
今年のテーマは「聖なる水」とその汚染そして深海底採掘計画など、マリアナの人々が抱える水の問題に向き合うことです。作品はどれも私たちがどう行動しどう語り合うべきかを問いかけています。機会があればグアムのアートに込められたメッセージを感じに訪れてみてください。
<INFORMATION>
タ ナイ アニム II:聖なる水のアート展
(Ta Nå’i Ånimu II: Sacred Waters Art Exhibition)
開催場所: グアムミュージアム(Guam Museum)
ロケーション:ハガニア地区スペイン広場隣
開催期間: 2026年1月10日~2月28日
開催日時: 火曜日~金曜日、午前9時~午後4時
休館日:土曜日~月曜日
入場料:無料

